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苦手な方はご注意ください。

羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~ (応募用脚本版)

元作品

羅刹の銀河そら ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~

https://ncode.syosetu.com/n4325jd/

SFランキング四半期一位になったことあり


作品名「羅刹の銀河そら ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~」


キャラ


レオ・カミシロ

「ゲームの中に突然放り込まれた男。カミシロ侯爵家三男。成績上位者であるが実はアホの子。ゲーム冒頭で死ぬ場面に記憶を取り戻すがすでに遅し、せめて生徒たちを逃がすために奔走する。ギレンみたいな演説をするつもりがやらかす。性癖モンスター。本来なら実習船で死ぬ予定でクローン処置もできなかった」


クレア

「17歳。地方惑星の豪商の娘。地味で真面目な眼鏡っ娘。レオに性的な目でみられてることに気づいてない。本来ならレオと同じく死ぬ予定だった、ただしクローン処置に成功し一年後に原作主人公の学年に復学することになっていた」


皇女ヴェロニカ

「第128皇女。17歳。後宮の中で育った娘。皇帝がロリコンのため幼生固定処置を受けている。後宮の女はすべて母親として育てられた。母親たちの多くが近親相姦で子どもを産んでいることに不満を持つ。父親の妃にされないために軍で役に立つと思わせようとしている。そのため海賊狩りのヴェロニカと呼ばれている」



場面【宇宙線のブリッジ】


 宇宙空間を航行する船艦。

 戦艦の窓から外を眺めるレオ(主人公)


レオ「うわ……人生終わった」


 説明文


【 ハードコア艦隊RPG【羅刹の銀河(そら)】。

 主人公は宇宙帝国士官になって人類の天敵であるゾークとの戦いに身を投じる。

 プレイヤーは戦略士官になって艦隊を動かしてもいいし、宇宙海兵隊員になってゾークとの永遠に続く戦いを楽しんでもいい。

 超能力者や科学者、もちろん商人や医師や薬剤師、もっと変なのなら宇宙海賊になってもいい。

 プロパガンダを広める歌手や俳優でもいい。

 革命家になって政府転覆を目指してもいいし、超能力者の能力向上のための特殊入れ墨の彫り師になってもいい。

 配管工や農夫になってるプレイヤーだって山ほどいる。

 とにかく永遠に続く戦時体制化での生活を楽しむゲームである。

 当然プレイヤーのストーリーなど皆無。

 植民地惑星出身で家族親戚友人までゾークに皆殺しになり、帝国軍に救出され復讐のために士官学校に入るってのがテキストで説明される程度だ。

 NPC周りのシナリオもほとんどがAIによる自動生成だ。

 その中で固定のイベントは冒頭のゾークとの遭遇くらいだろう。

 ゲーム開始の一年前、帝国士官学校の演習船【いかづち】が植民惑星の古代遺跡から復活したゾークと遭遇する。

 護衛の船艦ともども撃墜され、軍人と学生1500名はゾークの腹の中。

 そのいかづちの艦長代理というか実習での艦長役が俺ことレオ・カミシロである。

 絶賛経営悪化中の侯爵家の生まれで権力を笠に着て生徒会長になったクズ寄りの無能だ。

 生徒会長なので演習でも艦長になっている。

 それだけならまあいいだろう。

 席を温めるだけの人材も世の中には必要だ……。 余計なことをするアグレッシブな無能よりは被害が少ないだろう。

 なあに家柄が仕事してくれるさ。

 ところがレオは運が悪かった。

 平時ならボケッとしてれば終わる演習だった。

 だけどこのときは演習船が揺れまくってた。

 問い合わせの一つもして偵察ができれば時間が稼げて何人かは逃げられたかもしれない。

 だけどボケッとしてて異変はスルーされた。

 ゾークのアンカーが艦に撃ち込まれた揺れだったのよ。これ。

 で、もっと運が悪いことに護衛している船艦しらなみのクルーも無能だった。

 こっちは学生のレオに比べて救いがたい。

 調べもせずに実習を続行。その結果が全滅だ。

 以上、アーカイブにて一行で語られる事件である。

 要するに俺は【誰だこいつレベルのモブ】なわけだ。

 なにをしても歴史に与える影響も小さいだろう】


 説明文終わり。


レオ「で、ついさきほどだ」


 場面【つい先ほど】


 豆腐の角に頭をぶつけるレオ。


レオ「思い出した!」


レオ「【誰だこいつレベルのモブ】になってるんじゃね?」


 レオ現実に気づき手が震える。


レオ「このタイミング! 手遅れじゃん!!!」


 レオ、ブリッジにいたクレアに気づく。


レオ「眼鏡っ娘だ。眼鏡っ娘副艦長だ。もう一度言おう。眼鏡っ娘だ」


【説明文】


【彼女は眼鏡っ娘パイセンとしてプレイヤーの前に現われる。

 ここで一度むしゃーされるが脳のバックアップが無事に回収されクローンとして再生される。

 自己の同一性に悩む彼女の復讐シナリオは涙を誘う……。

 レオとは違って。

 レオは空気!】


【説明文終わり】


レオ「眼鏡っ娘万歳!!! ってそんな暇ねえ!!!」


 レオ、死ぬまでの数分を好き放題やることを決意。

 運命に逆らい全員を逃がすことにする。


レオ「クレア、異常検知システム起動するぞ」


クレア「ですがマニュアルでは戦艦しらなみに了解を取ることに……」


レオ「いいから! 別に怒られるほどのことじゃないから!」


クレア「了解しました。あとで報告しますからね!」


 クレア、ぷんぷんとする。

 ブリッジに警報音が鳴る。


クレア「アンカーが撃ち込まれてます!」


レオ「海賊の仕業か!?(わざとらしく)カメラお願い!」


クレア「カメラオンライン……なにあれ……」


【場所、宇宙船の外】


 アンカーを撃ち込んで乗り込んでくるゾーク。

(ヤドカリやコシオリエビのような生き物)


レオ「(風邪ひいたときの悪夢に出てくる怪物みたいじゃねえか!)」


【場所、宇宙船ブリッジ】


レオ「(外骨格の殻がクソ硬くて、艦に搭載されてる光学兵器じゃ穴が空かない)」


レオ「クレア。実習打ち切りを本部に通達。ただちに実習生は脱出ポッドで近くの軍事基地に避難」


クレア「ですが教官の許可が……」


レオ「取る前に死ぬよ」


クレア「……え?」


レオ「なんでもない。護衛艦にも通達して」


クレア「は、はい! ……繋がらない!!!」


場面【宇宙船の外】


 護衛官はすでに全滅。残骸が漂う。

 無線が届くが誰も受け取ることはない。


【場所、宇宙船ブリッジ】


レオ「全員脱出。さっさと承認して。みんな死ぬよ」


クレア「は、はい!!!」


 警報音が鳴る。


レオ「クレアも脱出して。俺は残るから」


クレア「え?」


レオ「しょうがないじゃん。俺が残って戦闘ドローンをオペレートせんと」


レオ「みんなの無線回線開けといて。戦闘のブロードキャストするから」


クレア「りょ、了解。どうするの?」


レオ「どうするって、どうせ死ぬんだし。最後くらい演説の一つもさせてくれよ」


 レオ、用意しながら演説。

 戦闘服とヘルメット。

 それに作業用の人型重機が後ろに映る。


レオ「実習生徒諸君、艦長役のレオだ。今我々は所属不明の勢力の攻撃を受けている。護衛の船艦との通信も途絶した。そこで実習マニュアルに従い脱出することにした。ただちに脱出ポッドに入り、近くの軍事基地に避難してくれ。戦おうとするな。我らじゃ護衛戦艦クルーの邪魔になるだけだ。私は殿を引き受ける……」


レオ「諸君らには生還してもらい。私の仇を取ってもらいたい。なにせ次に会うときはクローンだからな! HAHAHAHA!」


 レオ、冗談が思いっきりすべる。

 すすり泣きが聞こえる。

 レオ、人型重機に乗り込み発進。


クレア「ご武運を」


場面、【宇宙船作業用搬入口】


 レオ、実況開始。

 本当はギレンの演説みたいなのをする予定が性癖暴露大会になる。


レオ「へいへーい、艦長です。今日は【謎の宇宙生物と戦ってみた】をお送りしまーす」


レオ「(よーし、史上最悪の配信やっちゃうぞー!!!)」


レオ「みんな俺の事が嫌いだろう。侯爵家の権力笠に着てそこそこの成績なのに主席になってさ。おかげで艦長だぜ! 奨学金勢は俺を殺したいと思ったヤツも多いだろう。でも残念だったな!!! 主席になったおかげで死ぬのは俺だぜー!!! うぇーい!!!」


 レオ、大きなハンマーを持ち進んでいく。


説明

【レオ「(火薬アシストつきのハンマーだこいつならゾークも倒せるんじゃねえかな)」】



 レオ、端末から全機脱出できたことを確認。


レオ「ぐははははー!!! 殺せなくて残念だったな諸君! その代わりにこのタイミングだから素直に語ろうと思う。恥を置いてってやるぜ!!! 俺の葬式でバカ話に花を咲かせてくれ。みんなの前じゃいつもイライラして暗い態度でいたけど、本当はそういう湿っぽいのは好きじゃないんだ。でもさー、素を出すと怒られんだよ。家族に。ところでさ、B組の沖田めぐみ、かわいくね? 鶏ガラ女とか言われてたけど浮き上がったアバラとかドエロくね?」


 ゾークがやって来る。


レオ「同じクラスのニーナ! お前、【わたし太ってるからモテないから……】って言ってるけど、クラスの大半はお前を性的に見てるからな!!! もちろん俺もだ!!! みんなお前のことが大好きだー!!!」


 戦闘がはじまる。


レオ「おらああああああああッ!!!」


 人型重機に乗ったレオ、ハンマーで殴りつける。

 ハンマーが火薬のアシストで爆発する。

 レオ、すかさず銃を取りだし割れた殻の中に突っ込み引き金を引く。


レオ「はあ、はあ、はあ……うおおおおおおお!!! おしゃー!!! 勝ったぞ!!! 見とけよ!」


 レオ死骸を撃つ。

 拳銃はビーム兵器のため弾かれる。


レオ「光線兵器は効かない。実弾兵器か近接で装甲ぶち抜くしかない。次は実弾の配備を要求する。ま、そのころにゃ俺はいねえだろうけど」


レオ「(接近戦やりたいだけじゃねえか! なんだこのクソ仕様! 開発者許さねえぞ!)」


レオ「プランBだ。ドローン、自爆モードに移行。敵性生物を見かけ次第自爆せよ!」


 場所【船内】

 あちこちで爆発が起こる。


レオ「話を続けようか。C組のエレナ・サトー!!! お前、ブスだからって言ってるけど、お前化粧映えする顔だからな!!! 自信持て!!!」


 ゾークが大量にやって来る。

 レオ、隔壁を降ろして船内ドックへ逃げこむ。


レオ「ぐへへへへ! 公立学校の狭い軍艦なめるなよ!!!」


レオ「おっしゃ! このまま救助が来るまでここで隠れて……」


 壁が破られゾークが顔を出す。

 レオ、破られたときの壁の破片が当たって転倒する。

 起き上がるが腹に破片が突き刺さっているのに気づく。


レオ「まだだ!!! まだだ!!! 俺というモブの単独ライブはまだ終わってねえ!!! 命を燃やせ!!! 放送コードも恐ないで突き進め!!!」


 レオ吐血

 ゾークが襲いかかってくる

 ハンマーが落ちているのに気づく。


レオ「男の勲章ってか。 さあ楽しくなってまいりました!!!」


 ハサミをよけてハンマーを拾う


レオ「D組のメリッサぁー!!! 俺、男みてえだしな……って! ボーイッシュ女子は人類の宝だー!!!」


 レオ、重い足どりでゾークへ歩く。


レオ「よう、待たせたな。カニ野郎」


レオ「(もう走る余力もねえか。だけど誰かが貧乏くじを引かなきゃならねえ)」


レオ「E組のレン!!! わたしビースト種だしって! ケモ耳嫌いな男子なんていません!!! 女子だって好きだろ!!! ケモ耳!!!」


 レオの胸にゾークのハサミが食い込む。

 レオ、同時にハンマーをぶちかます。

 爆発するが爪の勢いは強く壁まで飛ばされる。


レオ「残念だったな。まだ生きてるぜ」


 レオ、立ち上がる。

 すでに人型重機は壊れ装甲として役にたたない。


レオ「(リスナーの愛国心でも煽ってやるか!)」


レオ「へいへーい。視聴者見てるー!? 次にゾークと戦うのはお前らだぜー!!! ひゃっほーい!!!」


レオ「(あれ?)」


レオ「残念だが俺の勝ちだ」


 宇宙船の内と外、あちこちで爆弾を積んだドローンが爆発する。


レオ「ぐはははははは!!! この区画ごと爆破してくれるわ!!! 自爆は艦長の美学なのだよ!!!」


 レオ、敬礼する。


レオ「いままで応援ありがとうございました。レオ・カミシロ先生の活躍をご期待ください」


レオ「(違えだろ。俺の屍を超えていけ! 帝国万歳! だろ! はい、もう一度!)」


レオ「みんな……聞いてほしい。俺はここで死ぬ……だから……俺の部屋の端末のローカルに保存してあるエロ物件の数々消しといてくれ……そうすれば……俺はきれいなままみんなの記憶に残ることができる……」


レオ「(違う! そうじゃない!!! 帝国万歳だ!)」


レオ「ところでさ、みんな胸と尻どっちが好き? 俺……おっぱい(もうどうでもいいや)」


 最後に艦の自爆スイッチを入れる。

 レオ、爆発のせいで外に放り出される。


レオ「(松永久秀の実績解除と)」


 場面、【船外、宇宙空間】


 レオ宇宙に放り出され、きりもみする。

 遠くで爆発が起こる。

 同時にスラスターが姿勢制御してゆっくり流されていく。

 宇宙空間を眺めるレオ。

 通信が入る。


クレア「艦長、レオ! クルー全員の安否を確認! だからあなたも!!!」


レオ「(帰るまでが実習ですっと)」


クレア「ねえ! レオ!!! 生きてる!? 返事して!!!」


レオ「(死ぬ直前まで闇を見続けるのか。運命の女神……てめえ俺のこと嫌いだろ……)」


 ヘルメットのライトが消えて闇に包まれる。

 遠くで光が見える。

 通信が入る。


ヴェロニカ「がーはっはっは!!! 面白そうなことしてるな。妾も混ぜよ!!!」


 腕組みした少女が高笑いする。

 巨大な戦艦が見えてくる。


ヴェロニカ「カミシロ家のレオを救助せよ! 彼奴は英雄ぞ!!!」


近衛騎士団「はッ!!!」


ヴェロニカ「下等生物を駆逐し、わが帝国の勇敢さを見せつけよ! いいか! 実習生に負けることは許さぬ。さあ槌を手に取れ! 突撃するぞ!!!」


 人型戦闘機に登場した騎士団が戦艦から出撃する。

 宇宙空間でゾークと戦う。


レオ「よくやるぜ……」


 戦艦の薔薇と髑髏の紋章が見える。


レオ「(あれは皇族の紋章。それにこの声……ヒロインだ……第128皇女ヴェロニカか!!!)」


 レオを騎士が回収する。


レオ「どうやらまだ死ねそうにない……クソッ! エロファイルの話しなきゃよかった!」


 暗転。レオ意識を手放す。

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