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パーフェクト

「最後に確認させてもらいますね。一応能力の定義としては自分だけの世界を作り出しそこで修行を行うというものです。付随して成長限界の無制限化、身体的な老いの一時的な停止があります。本当に1万年修行するのですか? 今なら、まだ能力を変えることもできますが……」


「大丈夫だ。俺がいくら知恵をふり絞ったところでこれ以上のものはもう思いつかないだろう。気の済むまで修行することにするぜ」


「そうですか。それでは、ヘイトさんを異世界へと転生させます。能力は異世界へ転生すると同時時に発動するよう設定されていますので、すぐ修行に取り掛かれると思います。1万年頑張ってください」


 女神様がそういうと、俺の視界は消え、風景が一変した。




「大丈夫でしょうか、ヘイトさん。普通の人間が1万年という膨大な時間に精神が耐えられるとは思えないんですけどね。そこまで考えてこの能力にしてくれてればいいんですけどね。まあ、私は異世界へと送り出す役目は無事に終えたので問題はないでしょう」






 眼を開けると、どこまでも広がる白い空間の中に俺はたっていた。


「すげぇー!! どこまでも続いていそうな空間だな。それに家まであるぞ。これ以上ない完璧な環境じゃないか。この辺も気を使ってくれたんだろうな。ありがとう、女神様」


 右には一戸建ての立派な家が立っており、ここに住み込みで修行に励めるというわけだ。流石にこれで食料がないとかはないと思うが、念のため家に入って確認して見ようかな。これで食い物ないは笑えないけどそんなことありえないだろ。


「お邪魔しまーす」


 玄関の扉を開け、中へ入る。

 いたって普通の玄関で、右手にリビングがあるようだ。


「おお、いい感じの家だな。庶民的な家って感じで好感度高いわ」


 ひとまず中を探索したら、二階建てで無駄に部屋が6つ程あった。こんなに部屋があっても俺だけしかいないのだから特に意味はないな。もう二階へ上がることもないだろう。リビングと風呂とトイレ、寝室さえ確保できてればほかの部屋は使わなくていいや。


「おお、この冷蔵庫なんかわからないけどなんでも出てくる。こりゃ食材に困ることもないな。でも料理しないといけないのか?」


 いろいろと試行錯誤していたら、電子レンジに食材を入れて、スタートを押すと勝手に料理になってでてくることに気が付いた。これはマジですごいな。俺の能力最強すぎて一生ここで生活できるまである。


「まあまあ、探索はこれくらいにして修行を始めますか。よっしゃ外でガンガンやりますか!!」


 最高の環境に気分をよくした俺は修行を始めるために外へ出た。


「まずは何からやっていこうか? まだ一般人と同じ力しかもっていないから地道に筋トレからしていこうかな。腕立て、腹筋、ランニングとかから始めようかな。基礎体力をつけてから本格的な修行に入るほうが長い目で見たら、効率もよくなるだろうし、よし、それでいこう。まずは腕立てだ!!」


 早速、地面に膝をつき、腕立ての体制を取る。

 一日目だから軽めに、500回くらいで行こうかな。時間はたっぷりあるんだ、焦らず行こう。


「いち、にっ、さん、しっ……はあぁ、一回休憩だ。はあ、はあ……これをあと100回くらい繰り返せば目標達成か。くぅ、道のりは険しいな」


 その後も3回か、4回腕立てを繰り返しては休憩をはさみ、何とか50回くらいまで達成することができた。


「よし、今日はこのくらいでいいだろう。最初から飛ばしすぎて体を壊すのが一番よくないからな。そうならないためにも自分の限界を見極めて修行していく必要があるのだ。腹筋とランニングも明日にして今日は飯食ってぐうたらしようかな」


 家へ帰り、まずは風呂に入る。

 腕立てを50回もしたのだから当然汗だくになってしまっている。まずは汗を流さないと気持ちが悪くて満足にぐうたらすることもできやしない。こういう細かいところへの気回しが後々響いてくるはずだ。




「はあ、さっぱりした。風呂も最高だったぜ。アイスでも食おうかな」


 冷蔵庫からアイスを取り出し、テレビをつける。どうやらこのテレビにも仕掛けがあるらしく、なんでも録画されているようで好きな番組を見ることができる。


「おお、これ見たかったんだよな。早速見よっと」


 その後もテレビを見ながらぐうたらしていたらもう夜の8時になってしまっていた。


「腹が減ってきたし、飯食うか」


 電子レンジに麺を入れてスタートを押すと、見事にラーメンが出来上がった。


「ラーメンもうめぇや。マジでなに不自由なさ過ぎて悪いな。明日からはしっかり修行に励むとしよう」


 腹も膨れて、気持ちいいのでまたテレビ見よっと、そのまま見るの気が引けるので微妙に手を振りながらでも見ようかな。そしたら少しは筋トレになるだろう。


「泣ける。この映画マジで泣けるよ」


 手を動かすのも忘れ、映画に夢中になってしまっていた。

 時計を見ると、とっくに日付は変わっており、朝の6時になってしまっていた。


「ああ、やっちまったな。いやいや時間はまだ腐るほどあるんだ。一日ぐらい無駄にしたところで何も支障はないだろう。それじゃ、寝るとしますか」


 俺は寝室へと向かい、ふかふかのベットで眠りについた。

 またおきてから頑張ろう。

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