1.ヤクザなニクいヤツ
目の前にヤクザAが現れた。
目が血走っている。ぶつぶつなんか言ってる。
こわっ。
クスリでもやってんのか?
まぁこれから人ひとり撃ち殺そうとしているのだから目が血走ってるくらい普通か。
こちらに銃を向けている。
俺はその様子をぼーっと見てる。
銃声がなる。
1発、2発、3発
俺はヤクザAに近寄った。
4発、5発
もう何発撃ち込まれたんだろ?
まったく表情を変えない俺をみて、青い顔で腰を抜かしているヤクザAに近づき、顎を蹴り上げた。
さらに仰向けになったところで、わき腹に思いきりサッカーボールキック。
「ギュエ!」
人間からこんな音出るんだ・・・
「勘弁してください!謝りますから!自分が悪かったですから!」
人間ほんとに怖いものにあったらこんなテンプレ通りの命乞いをするのか。
なんか必死で命乞いする大人ってちょっとグロいな。
「これは単純な興味で聞くんだけど、殺すつもりで来たんだよね?殺されるのは想定してなかった?」
ヤクザAはうつぶせにまるまって勘弁してくださいと叫ぶばかり。
「とりあえずあなたの身分証と親(組事務所)だけ教えてくれる?」
「勘弁してください、勘弁してください」
警察がくるまでに聞き出しておかないと後がめんどくさいな。
「ベタだけど警察くるまで時間ないから吐くまで指1本ずつ折っていくね?とりあえずおたくの組は無くなると思うから、あんまり義理立てしても意味ないとは思うけど、そこはお任せします。」
さらっと拷問を提案してみた。
「時間無いから1本10秒ね!じゃあ行きます。」
やっぱりヤクザって気合入ってる。1本耐えたよ。俺なら即吐いちゃうね。
さて、親は王盛組か。なんか恨まれるようなことしたっけな?
まぁいいや。後で直接お伺いして聞いてみよう。