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「美・デッサンのすすめ」 8
「…出来た!!」
静かな美術室に、椿の声が鳴り響いた。
気づけば下校のチャイムも鳴り、北側にある美術室の外は夕日に染まっていた。
「…お疲れ様です…」
「お疲れ!見てくれないか?一応」
エプロン姿のまま、冬馬は椿のデッサンに近づくと、のぞき込んだ。
「ほ~…いいじゃないですか…絵の才能ありますよ、椿君…消す前のヤツ、写メでとっとけば良かったですね…」
「お~、いちいち言葉に毒を感じるが、ありがとよ!オレも正直驚いてる」
椿は立ち上がって、自分のデッサンを離れた所から見ると、満足そうに腕を組んだ。
「お~椿、調子はどうだ~?」
ちょうどその時、職員会議を終えた榎本が美術室に入って来た。
「先生、終わったっす!」
「お~見せてみろ…」
榎本は腕を組んでデッサンをのぞき込むと、目を見開いた。




