7/39
「美・デッサンのすすめ」 7
「お前以外、部員っていないのか?」
冬馬も、油絵を描く手を止めずに答えた。
「いえ…ゆーれー部員を含めて、12人ほどいますよ…」
「へ~」
「今日は、たまたま僕一人ですけど…基本、文化祭までに作品を仕上げればOKで、出席は自由なんですよ…」
「へ~いいな、それ…」
「ええ…そう言えば、椿君は何部ですか?」
「あ~オレ?帰宅部…」
「へ~、うちに入ったらどうですか?帰宅部よりも、内申上がるかもしれませんよ?」
「あ~そうかもな~考えとく…」
「あ…ただうち、変人が多いですけど、それでも良ければ…」
「お前な~変人とか言うなよ…せめて、変わり者って言え…」
「ははは…椿君は、お優しいんですね~そう言えば、絵にも出ていますしね…」
「…勝手にオレの内面、のぞくのやめてくれ…今度、冬馬の絵見てやり返すぞ…」
「それは、いやですね…」
クスッと冬馬が笑った後、二人は自然に黙り込むと作品に没頭した。




