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美術部ってさ!  作者: 久世 かやの
第五章 ~なんのかんの言っても、文化祭の華~
34/39

「引退の打ち上げとか、やんないの?」  5

「どうも、ありがとうございます…」


二人は紙コップを軽く打ち合わせると、一気に飲み干した。


「引退の打ち上げとか、やんないの?」


「ええ、うちはそういうのやんないですね…」


「ふ~ん…でも、ちょっと寂しくねぇ?」


「う~ん…そういう所、皆あっさりしてますからね…片付けが終わったら、いつもみたいに帰って行きましたよ」


「そうゆ~もんかぁ…」


何だか椿の方が寂しそうだ。


「あ、そうだ椿君、さっきの事黙ってて下さいね」


「え?何の事だ?」


「絵を持ち帰るって事です」


「え?何で?」


「木枠とキャンバスは部費で買った物ですから、本当は持って帰っちゃいけないんですよ…」


「へぇ~」


「置いてっちゃう人が、ほとんどなんですけどね…」


「置く場所に困りそうだもんな~」


「ははは…」


冬馬は、たたみ一畳分はありそうな大きさの手さげ袋を見ると笑った。

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