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美術部ってさ!  作者: 久世 かやの
第四章 ~限りなく自由~
24/39

「絵を上手く描くコツって?」  1

「…最近、やっと慣れてきたわ」


「え、何がですか?」


冬馬は絵を描く手を止めずに、聞き返した。


「油絵のニオイだよ…」


「え、します?」


「するよ、結構きついニオイだぞ…さすが美術部員だな、ぜんぜん気にならんとは…」


椿は感心して腕を組んだ。


「私はこのニオイ好きだけど…」


イーゼルを取りに、二人の側を通りかかった三年生の春日かおりが話に入ってきた。


「春日?お前、美術部だったのか…」


時々、美術部に遊びに来るようになっていた椿は、今だ全員の顔を把握していない事を知る…


「そうだよ、椿の方こそ何してるの?」


椿と春日はクラスメイトだ。


「見学、ここで会うの初めてだよな…幽霊部員か?」


「ううん、いつもは予備校に通ってるから」


「予備校?」


「絵の予備校ですよね、春日さんは美大志望だから…」


冬馬が描く手を止めると、説明した。

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