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*第8話*

観覧車の中。

私と玲は向かい合わせで座っていた。

・・・そして、沈黙がずーっと続く。

気、気まずい・・・

なんとなく、夜景を見る振りをして後ろを向いた。

それでもガラス越しに玲がうつっていた。

どうしよう・・・何か、話さなきゃだよね??

「今日は、楽しかったね?誘ってくれてありがとう」

できるだけ普通に言ってみたものの

玲からの反応はなく、俯いていた。

気分、悪いのかな・・・?

「玲、大丈夫?」

玲の隣に行って、覗き込むようにしてみるものの

表情が見えなくて困った。

ふっと前を見たとき、観覧車は頂上の寸前まで来ていた。

そして、その2秒後ぐらい・・・。

「唯、こっち向いて」

そういわれ向いた時、玲の顔が近くに来て、唇に温かい体温を覚えた。

5秒ぐらい思考が停止して、ハッと気づいたときには、観覧車が下っていた。


私・・・今、玲に・・・キス、された、の・・・?


「れ、れい・・・???」

「唯。俺唯の事、好きになっちゃったよ。いつも可愛く気さくに笑う唯に

俺幸せ感じてた。・・・俺と付き合ってくれませんか?」

突然の申し出・・・告白に私は一瞬呆然としていた。

「玲、くんが、私の事・・・?」

私の胸が高なる。どきっどきっ・・・と

あ・・・そっか・・・そうだったんだ・・・。


「私も、玲が、好き・・・」


気づいたのが遅かったよね。

自分の胸のドキドキに気づいていなかった。

「急にキスして、ごめんね?けど・・・唯も俺の事が好きって言ってくれて

俺今、いつも以上に幸せ感じてる。・・・抱きしめても、いいかな?」

甘くてとろけそうな言葉をなんともなし、というように言う玲に

私の頬はどんどん赤くなっていく。

恥ずかしいと思っていても私の口は正直ものすぎで

「うん・・・」

と答えていた。

抱きしめられた時の体温が温かく

今は夏で暑いけど心地よかった。

とても安心できる、体温だった。

離れたときにはもうほとんど下についていた。


観覧車から降りて、スタッフさんも前を通って

出口に向かった。もちろん・・・手はつないだままで・・・。

「ね、唯。唯は俺の何処を好きになった?」

不意な質問に私はオロオロした。

・・・言ったら恥ずかしいなぁ・・・

「大丈夫、笑わないよ?」

「ほんと・・・?」

「うん、大丈夫」

「・・・えっとね、その甘い色の髪と、甘い言葉と、優しい性格と、ぬくもり・・・かな」

「俺、どれだけ甘いの?」

「だ、だって、甘いんだよ?!ほんとに甘いの!」

「そんな必死に言わなくても大丈夫だよ。でも、ぬくもりって言われたのは初めてだな」

「そ、そうなの?玲すごく温かいんだけどなぁ・・・」

「唇が?」

「それはさっきのでしょ!あぁっ?!」

「ははっ唇の温かかったのかぁ。嬉しい事だね」

「あ、いや!その、それはね!?」

「大丈夫、弁解する余地はないからね?」

「・・・時々意地悪だよ。じゃぁ逆に訊くけどね、玲は私の何処を好きになったの?」

勢いで訊いたけど、コレは知りたかった。

なんで、私なんかが・・・と何回もさっきから思っていた。

「えっとね、その綺麗な髪と気さくに笑うところと可愛くところかな」

・・・全部が全部理解できない。

髪はまだしも、他二つ・・・は・・・

「当てはまってないよね・・・?」

「すごく当てはまってるよ?むしろ唯にしか当てはまらないよね」

「私より可愛い子なんていっぱいいるよ!」

「唯じゃないとダメなんだよ?」

遊園地を出たとき、そういわれて

私の胸がまた高鳴った。

・・・すごく嬉しかった。

「私じゃないと・・・?」

「そう、唯だから俺は好きなんだよ」


あまくあまく優しく優しく笑った君の笑顔。

玲は私の笑顔の幸せを感じてるって言ってくれたけどね

私は玲の笑顔に玲以上の幸せを毎日感じてるよ。

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