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*第6話*

夕飯を食べ終わった7時ごろ。

「それじゃぁ俺は帰ろうかな」

「うん、今日はありがとう、ね」

「こっちこそ、ありがとう。和羽君によろしくって言っといて?」

「わかった、ごめんね、和羽えらいお世話になっちゃって」

「いいのいいの。俺一人っ子だから、年下とか身長がちっちゃい子とか

可愛くて可愛くて。特に唯と和羽君ね」

「なぁっ・・・?!特にって・・・!」

「あ、そうだ。唯、メアドと番号教えて?遊園地の事とか色々連絡とりたいからね」

玲は涼しく話題をそらした。

「あ・・あ、うん!ケータイ、とってくるね」


(ちなみに25日は明後日。)


「それじゃぁ明日、色々時間とか教えるね」

「うん、わかった。」

「また明後日」

「うん!じゃぁね!」

友達と遊園地なんて始めてだったから

私はウキウキだった。大学生にもなって子供っぽいけど・・・


7月25日。天気は晴れ。これぞ夏空!というぐらに晴れている。

今日は待ちに待った遊園地!

集合時間は10時だから、8時ごろに起きて今は髪の毛をセット中。

「んー・・・どうしようかな・・・?」

服装はジーンズ生地の短パンにレースの白いキャミソールにカーディガン。

邪魔にならない髪の毛がいいから、耳元で結ぶのでいいかな?

白いゴムでパチンッと結んで、髪の毛を結ぶときは絶対につける

母の形見の白い綺麗なリボンをつけた。

ショルダーバックに最低限の物だけいれて

リビングのソファに一息ついた。

「お姉ちゃん今日はやる気満々だね?」

「え?!そ、そうみえちゃうかな?!」

あんまりやる気満々だと引かれちゃうしな・・・?

「ううん、違うよ?お姉ちゃんはさ、大体やる気というか大事なときに

お母さんの白いリボンをつけるからね!」

あ・・・そういうことか・・・

それを簡単に言うと、髪を結んでいるときは気合が入ってるっていうのかな?

「玲兄ちゃんと?」

「うん、初めて友達と出かけるんだっ」

友達とショッピングにも言った事のない私はとても嬉しかった。

「そっか!僕ちゃんと留守番してるから、楽しんできて!」

和羽はいつも私の事を良く考えてくれる。

和羽も近々何処かにつれていってあげたいな。

「和羽も、近々と何処かいこうね?」

「うん!」

小学4年生で父母がいない現実はきっとつらい。

私が変わりにならなければいけない。

こんな弱い私でも少しでも親代わりになれるように・・・


10時に大学前集合だから、私は9時30分に家を出た。

大学には25分ぐらい。5分前にはつきたいから30分に出れば丁度ぐらいだ。

大学前までくると、玲が塀にもたれていた体を預けていた。

「玲、!」

「おはよう、ゆ・・・い?」

「おはよう、どうしたの?」

「い、いや、初めて髪の毛結んでるのみたから・・・」

玲は少し俯きながら言った。

「そういえばそうだね・・・?」

「唯はやっぱりなにやっても可愛いよね」

「っ・・・?!」

朝からそんな甘い言葉を聞いちゃうと

脳内のこびりついて取れてはくれない。

「さてと、行こうか?」

「あ、うん!」


遊園地は私が乗ってきた電車から4駅のところに建っていた。

遊園地の前まできた私達。

私は呆然と遊園地を眺めていた。

「あはは・・・敷地がかなり大きいね・・・」

「そ、そうだね・・・?」

ばぐだいな敷地に目一杯のアトラクションがあった。

「とりあえず、はいろっか。」

「でも、あくまであと30分あるよ?」

「だいじょーぶ。特別招待客をあまくみちゃーいけないよっ?」

あなたを甘く見なくてどうするんですか・・・

違い意味ですけどね・・・

スタッフに遊園地の券を見せると

なにもなしで園内に入れた。

「ほら、ね?」

「すごいねですね・・・」

「でしょ?ほら、早く入ったんだから早く遊ぼうよ?」

玲の甘い笑顔に私は釣られて笑っていた。


あなたはいつも、いつでも

とろけそうなぐらいに甘い...。


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