*第51話*
「それでは、今日は小物入れをこの、木で作っていきましょう!」
『はーい』
今からやる工作といのは、いろんな形の木に色を塗って、組み立てて行くんだそうだ。
結構簡単な工作。
「簡単そうだな?」
玲がこそっと言ってきた。
私は少し笑いながら
「4年生ならこんなものじゃないかな?」
その後に「和からすれば簡単かもしれないけどね」と苦笑いで付け加えておいた。
「では、工作を始めましょう!わからないことがあったら、先生に聞いてくださいね」
『はーい』
子供達は、袋の中の材料を机に広げ始める。
「和羽は工作得意?」
玲が聞くと、和は苦笑いで
「微妙・・・だけど、組み立てるのは好きだよ」
と言った。
「そんじゃ、色塗りはセンスのいい唯にやってもらおうか」
玲がニコニコしながらよからぬことを言う。
「え?!わ、わたし色塗りなんて・・・机汚しちゃうよ?」
「大丈夫だよ。ほら、和羽と水くみに行っておいで」
そう玲に促され、私は渋々和と水をくみに行った。
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「さて、はじめよっか」
右手には筆、左手にはパレットを持って和の席に座っている私に
玲は声をかけた。
「うん・・・えっと、まず何色がいい?」
和に聞くと、和はニコニコしながら
「玲兄・・・お父さんの色がいいっ」
「玲の色?んー・・・黄色?」
そういいながら、黄色の絵の具を出して、木の3分の1ほどに塗る。
「ふう・・・。次は?」
「姉ちゃんの色!」
私の色・・・?
「と、言うと何色・・・?」
玲に聞くと、玲は
「そうだなぁ、薄いピンクじゃないかな?」
と言った。
自分のイメージは薄いピンク色らしい。
そんなこと言われたの、初めてな気がする・・・。
そう思いながら、赤と白をだして、黄色の隣に同じ面積を塗る。
「次は・・・なんとなくだけど、和の色かな?」
「正解ーっ。俺って何色?」
聞かれて、なんとなくすぐに思いついたのはオレンジだった。
「オレンジ・・・かな?」
「お、唯寄ぐうだね?俺もそう思った」
やっぱり、人のイメージカラーっていうのは、皆同じような色を思ってるものなんだと思った。
「じゃぁ、オレンジ塗るね」
白としゅう色を出して、最後に残ったところを塗る。
「ふー・・・。他は何塗る?」
「じゃぁ、ここはこの色塗ったらどうかな?あと__」
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色塗りもささっと進み、組み立ても和と玲の恐るべき速さで
私達は一番最初に工作が終わった。
私達が終わって15分ほどしてから、授業が終わった。
「早く終わってよかったねー」
「さすが和、組み立てるの早かったな」
玲が和の頭をワサワサとする。
「えへへ」
満面の笑みで喜ぶ和。
私はこの微笑ましい光景にとても喜びを感じていた。
そんなとき...
「・・・玲、くん・・・?」
玲がバッと振り返る。
和と私も顔を上げて、声主の方を見た。
・・・そこには、私達と同じぐらいの歳の、綺麗な女の子がいた。
「玲君だよね?!」
「れ、怜奈・・・?!」
私は状況が読めず、唖然としていた。
和も同じ状況。
「久しぶり、玲君!元気してた?」
「あ、あぁ。元気だよ」
「そっかそっかー。あれ...?その女の子、誰?」
最後の方、少し声のトーンが下がったのは気のせい・・・じゃ、ないよね...?
「あ、え、えっと、進藤美唯です」
ぺこりと頭を下げる。
「ふう~ん・・・もしかして、玲君の彼女とかじゃないわよね?」
「え!?あ、・・・・」
その子・・・怜奈さんの言い方がとても怖くて、言葉を失っていると
「そのもしかしての彼女だよ。俺の大事な大事な、可愛い彼女」
ニッコリ....いつもとは違う笑顔で笑う玲。
「彼女・・・へぇ・・・?ふふ、こんにちわ美唯さん。私怜奈っていうの、よろしくね」
「え?!あ、は、はい・・・」
不気味に笑いながら、怜奈さんは私に改めて自己紹介した。
「私ね、玲の元カノなの。すっごくラブラブだったのよ?玲が大学へ進学する直前まで付き合ってたの」
・・・・これは、自慢されているのかな・・・?
あ・・・そうか。この人、まだ玲のこと好きなんだ・・・。
「怜奈、やめてって言っただろそういうの。もしかして、お前まだ俺に未練あるのか?」
玲が怜奈さんに優しいけど、突きつけるような口調で言った。
「えぇ、そうよ。というか、あんなの別れたなんていえなわよ」
「怜奈がそう思おうと、俺は別れたって認識してる。怜奈との関係は友達。これ以上突っかかってくるなら、知り合い程度の認識に変わるよ」
玲がとても冷たい目で、言い放った。
「っ・・・」
「ここでこんな話やめよう。和、またね」
にこっといつもの笑顔で笑って言う玲。
「うん、またねっ」
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