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*第43話*

あれから、かれこれ2時間授業が終わった。

次は特授、・・・なのだけれど・・・。

「・・・あの、玲・・・」

「ん?」

教室移動のため、私の隣を歩く玲に声をかける。

「あの、ね・・・?」

「うん」

私は玲の耳元でそっと言った。


「・・・さっきから、誰かが見てる気がするの・・・」


学園に着いてから、ずっと誰かの視線があるのを感じていた。

「え?!あ・・・いつごろから?」

小声で訊く玲。

「学園に着いてから、ずっとなんだけどね・・・?」

さっきから何度か鳥肌も立っている。

玲はちらっと後ろを見た。

すぐに首をこちらに戻して、首を傾げる。

「・・・とりあえず、様子を見てみよう。唯、手出して?」

そう言われ、ハテナが浮かびながらも手を出す。

すると、玲は私の手に指を絡めぎゅっ・・・と優しく握る。

驚いて、玲の顔を見ると「これで少しは怖くないかな?」と優しく甘い瞳で私を見つめた。

「うん・・・っ」


このぬくもりも瞳も大きな手も全部全部、甘く見えてしまうのは私だけでしょうか?


******


特授の教室に行くと、その視線が急に消えた。

さっきからそうだ。

私が教室に入ると、その見られてる感じはパッと消える。

「あ、進藤さん」

先生が足早に近づいてきた。

私と玲の手元を見て、少しはっとしたようだけど、すぐニッコリと笑った。

・・・その時、少し私も動揺したのはまた別の話。

「先生」

「楽譜製作、どうかしら?って、まだ1日しかたっていないけどね」

愛らしい笑顔で笑う先生。

私は少し申し訳ない気持ちになった。

「すみません・・・。昨日はその、色々あって手をつけられなくて・・・」

色々といっても、全部私の体の調子のことなのだけれど・・・。

本当に、いやになる。この体が。

「大丈夫よ~。時間はまだまだあるから。学園祭なんて10月中旬よ?

ここの生徒は優秀な子が多いから、2週間でも時間があれば完璧にできるわ。

だから、焦らずゆっくり、いい楽譜を書いてね」

そういわれ、ほっとする私。

よし、先生のためにも玲のためにも、いい譜面にしようっ。


キーンコーンカーンコーン


チャイムと同時、ばたばたと席に着き始める生徒達。

私と玲も、手はつないだままだったけど、急いでいつも座る一番端の席に着いた。

「授業はじめますね。では、今日は声についての勉強をしますね。まず___」

先生のリズミカルで、でも分かりやすい授業を板書しながら聞く。

なんとなく、ちらっと玲のほうをみると、相変わらず真面目な顔で板書しながら聞いていた。

・・・たまに、横髪をスッと掻きあがる姿がホントにさまになっていてかっこいい。

「・・・はぁ」

思わずため息が漏れる。

なにが思わずなのかは微妙だけれど・・・。


そのあと気を取り直して、授業を受けようと思ったけれど

どうしてか凄く眠くなって、机に突っぷして居眠りしてしまった。

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