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*第4話*

溝ネコ事件(?)から一変して

私につっかかってくる女子はいなくなった。

あいかわらず蒸し暑い大学は後2日で夏休み。

夏休みはたーんと課題があって多分私は死んでしまう。

「それじゃぁ課題一緒にやろうよ?」

提案してくれたのはもちろん玲君だった。

玲君は相変わらずファンの子たちに待ち伏せさせたり

追っかけられたりしている。

「ほんとですか?!ありがとうございます!

はぁ~!コレで死ななくてすみましたぁっ」

「そんな大層な・・・。俺、バカだから役にたたないよ?」

・・・関東模試で2位の人に言われるとなにも説得力が無い。

「役に立ちすぎて困るくらいですよ」

むすっとしながら言うと、玲君は笑って

「すねないで」

と私の頬を指でつっついた。

玲君はこんな風によく、私を子供みたいに扱う。

そのたび私は心の中で毎回拗ねていたのは秘密。


時は早々とたち、2日たって夏休み。

夏休み初日、私は朝の10時ぐらいまで寝ていた。

蒸し暑いけど眠いものは眠い。

私は多分、起こされなかったらずっと寝ていた気がする。

その起こした主は小4の弟、和羽かずは。女の子みたいな名前だけど男の子。

「お姉ちゃん、お客さん来てるよ?」

お客さん・・・ってだれ?

考えられるのは、隣に住む幼馴染のあきらしかない。

でも・・・光ならかってにはいってくる・・・?んー・・・

「どうせ光でしょ・・・放っておきなさい・・・」

「違うよ、あーくんじゃないよ?」

やっぱり違うの?・・・

「じゃぁどんな人・・・?」

「えっと・・・背が高くて、かっこよくて、髪の毛がキャラメル色の人」

背が高くてかっこよくて髪の毛がキャラメル色の人・・・って・・・

え・・・?!

「えぇ!?玲君?!」

「あ、新羅っていってた」

やっぱり玲君!!!???

え?!なんで!?えぇ?!

「ふー・・・えっと、玲君に上がってもらって?私着替えないと・・・」

髪の毛が爆発している・・・

なにも手入れしていないとはいえ、爆発はないでしょ・・・

「うん、わかった」

和はたたた~っと軽い足取りで階段を下りていった。

「着替えなきゃ!」

たんすを開けると・・・見事にズボンがすべて洗濯にいっていた。

多分2着は座敷においてあって・・・後1着が洗濯中・・・

やってしまった!これじゃ私ワンピースしか着る服ないよ!

1分ぐらい愕然としていた私はあきらめて

シフォン生地のパステルイエローのワンピースをきて

上からカーディガンを羽織って、髪の毛を梳かして1階に下りた。


ドアを開けると、和が玲君のひざに座って仲良くしゃべっていた。

小4のちっさい弟と大1の長身の玲君がこうやってしてると

一見親子にみたいに見える。私は身長が小さいから和とそんな風に見えることはない。

「あ、お姉ちゃん!」

「唯、おはよう」

ふたりのニコニコ笑顔に私は見とれていた。

けど、玲君のおはようというのにわたしは赤面した。

「さっき起きてきたの、ばれてましたか・・・?」

「和羽くんがしゃべってたよ」

「・・・かず~!!」

ちょっと弟を酷いと思ってしまったけど

夏休み初日でぐーだらしてる私が一番悪い。

「あ、玲兄ちゃん、オレンジジュースでいい?」

「うん、ありがとう」

「お姉ちゃんはお水でいいよね?」

「うん、ありがとう」

玲君の隣に座って一息ついたときだった。

「唯はオレンジジュース嫌いなのか?」

「ううん、私ジュース飲めないんです。言ってなかったけど

私ね、体弱いんです。過去に入退院何度も繰り返してて」

「そうだったの?あ、なんかごめんね」

「いいのいいの、昔の話ですから。」

「そう・・・?あ、和羽君て素直でいい子だね?」

「そうですか?」

「うん、お姉ちゃんどうしたの?って訊いたら

根掘り葉掘り教えてくれたよ」

「・・・だらしない自分が情けないです・・・」

「大丈夫大丈夫、そんなものだって」

「・・・・あ、玲君、どうして今日来たの?」

「あぁ、ちょっと相談、というかお誘いに」

「お誘い?」

「そう。俺の家さ、遊園地とかを経営してるんだよね。

それで7月25日にOPENする霧坂フレンド遊園地に

俺が招待されたんだ。それをさ俺一人でいくのもなんだから唯を誘おうとおもって」

遊園地経営・・・!??!

ま、まぁ・・・そういう家だってあるよね?

「えっと、そんなのに私が行っていいんですか?」

「というか俺的には来てほしいぐらい。一人なんて暇すぎるからね」

「そういうことなら、ぜひ」

「ありがとうね。」

遊園地か・・・!久しぶりだな・・・


それから和羽も一緒にゲームとかパソコンとかして

昼間で時間をつぶした。

お昼は、マックラナルドで食べて

家に戻って外で遊んでいた。久しぶりだった。

「外で遊ぶなんて久しぶり!」

「そうだね、小学生は毎日外で遊んでるのか?」

「大体はね!皆中にいても暇だから!」

さすが無邪気な小学生。こんな大学生とは大違いだね・・・

そんな事を思っていると後ろから声がした。

「美唯~?」


声主は・・・

「光、おかえり」

隣に住む幼馴染の光だった。

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