表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/55

*第32話*

大学の授業は案の条、ついていけなかった。

必死についていこうとすればするほど、頭の中で

なにかなんだかさっぱりになっていた。

・・・あたりまえなんだけどね・・・。

玲はと言うと....凄く余裕で授業についていっていた。

一瞬私は「なにこの差・・・」と思ったけど

まぁ・・・関東模試で上位の人なんだから、当たり前だよね・・・。


大学の先生が話している間、私はボーっと

まだ秋色に染まらない木と空眺めていた。

なんとなしに眺める風景は、何故かしら寂しく見えた。

「そこ、ちゃんと授業聞いてるのか?」

先生の言われ、ハッと我に返る。

「ご、ごめんなさい・・・!」

前に向き直ると、先生は「分からないなら質問しなさい。」と少し優しげな目で言った。

正直そんな事言われても、そんな勇気のない私にどうしろと・・・と私的には思う。

「ありがとう、ございます・・・」

小さな声で一応お礼を言うと、うむと頷いてまた黒板に数字を書き始めた。(今は数学)

そして私は前を見ながら、ボーっとする。

・・・ボーっとしながらも、授業ではなく自分の記憶を考えていた。


私はなくしたのではなく、自分の記憶を変えた。

和はホントは海莉で・・・臨夢はホントは光で・・・。

考えるだけで頭が痛くなるけど、どこかで少しずつ向き合わないと

対処できないと、私は思った。

私の脳にはそんなに大きなメモリーは、残念ながら入ってない。

___私はきっと、今から和の事を海莉と呼ぶことなんてできない。

もしかしたら実はそこまで深く考えなければ呼べるのかもしれないけど

器が狭いのか、私の頭は悪いのか、まぁ事実上悪いのだけど....

結局はどうしても呼べないのだ、私の場合。

ダメな奴・・・と思われても仕方ないと思う。

きっとこんな事言ったら、玲でも呆れてしまうだろう。

言わないから、関係ないんだけどね・・・。


...コレは、私一人の問題__



キーンコーンカーンコーン


「はい今日はココまで。次は特授だから各自移動するように。」

そういうと数学の先生は教室から出て行った。

「はぁ。久しぶりの授業は疲れたね」

「そうだね」

もう少しだけボーっとしておきたかったけど

次は特別科目授業だから、そうはしてられない。

特別科目授業は何か抜けていても大体の事は分かる。

母が生きていればバリバリ現役歌手の子供・・・だし・・・。

「唯?教室移動だよ?」

「あ、うん。今行く」

急いで用意して特別音楽教室に向かう。

「授業、どのぐらい進んでるかな」

「んー・・・どうだろうね?」

ははは、と笑う私。自分でも少し空笑いすぎた。

「大丈夫?」

「ん?なにが?」

「何かさっきから上の空だね」

「そうかな?普通だよ。まぁ・・・私、いつもボーっとしてるからね」

そういいながらも、自分が上の空だなんて百も承知だ。


ごめんね、玲。



今回の授業は、学園祭に向けての用意だった。

今回と言うよりか、これからはそうなるらしい。

「えぇ・・・それでは、私たちは生演奏でボーカル二人にステージで歌ってもらいます。

曲はボーカルが決めてくれていいです。その代わり、楽譜製作もまかせます。 

・・・とりあえず、一人ボーカルを今から決めるので、その人にもう一人のボーカルを

決めてもらおうと思ってます。いいですか?」

皆コクコクと頷いている。

「それでは、左から順番に行きましょうかね。自分の好きな曲を言ってください。

大抵の曲は弾けるので。弾けない曲があるかもしれませんが、そのときはすみません」

ペコリと先生は頭を下げて、ピアノの椅子に座る。

左って事は・・・。

「俺たち、一番最後だね?」

苦笑しながら言う玲。

私たちは今、一番後ろ一番右端に座っている。

「そう・・・みたいだね・・・」

「まぁ、はじめよりましかな」

「どっちもどっちだと私は思うよ・・・?」

「確かにね。最後って何故か期待されるし」

「そうなの・・・そこが問題なの・・・」



あぁ。先が長い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ