*第25話*
検査が終わって、病室に戻って、帰り支度をしてまたナースステーションに下りた。
「検査結果は異常なし。・・・だけど、かなり体弱ってるみたいだから。
安静にしてる事。学校ぐらいは全然いいけど激しい運動をすると多分また
ぶっ倒れるから、そこらへん自重しろよ」
「わかった、ありがとう海ちゃん」
「礼を言われることじゃないんだけどな。俺医者だし」
「まぁ海ちゃん不良医師だからね」
「うるせ、和。いつも通り否定はしないが。んじゃ、次の患者あるから」
おろしたらしい長い赤い髪の毛を揺らして、エレベーターに消えた。
「美唯さんお疲れ様です。海莉に悪さされませんでしたか?」
「うん、大丈夫。臨夢よりは絶対にSじゃないからね」
「俺、そんなにSですかね?・・・確かに美唯さんに悪戯するのは好きですが・・・」
「最後の小声が問題なの~!・・・んもう、次の検査のときはMサイズだよ!」
「バストが成長していたら、変えてもいいですよ」
「む~!!臨夢のサド!!馬鹿!」
「はいはい、ほら、新羅君が呆れてますよ」
「だって・・・む~」
私のすね具合は無視して
「それではお気をつけて」
と臨夢は頭を下げた。こういうところは光と違って凄く紳士てきなんだけどなぁ・・・
「「お世話になりました」」
玲と和が臨夢に頭を下げて、エレベーターにはいっていった。
私は急いでエレベーターに乗り込み、ナースステーションで頭を下げてる臨夢に手を振った。
「唯って以外と子供っぽいね?」
「・・・そうなのかなぁ」
「うん。胸なんて気にしなくていいよ?俺はそのままの唯がすきなんだからね?」
そういうと、クルッと和を私たちと反対の方向を向かせてから
頬にチュッとキスをした。そして私の頬は湯気が出そうなほど真っ赤に・・・
「玲~!」
「和羽が見てないだけでましだよ。」
そういいながら、平然と和羽をクルッとこっちに向かせて
呆然としている和羽を抱き上げた。
「わ、わぁ・・・」
「和羽、軽いね?」
「そうなの?」
「俺よりは断然」
「玲の方が何倍も身長高いでしょう?」
「それもそうだけどね」
和羽を抱き上げたまま、エレベーターを降りて、帰路につく。
そして、ふと思い出した事を口にする。
「玲と・・・結婚・・・・」
ポロリと出た、玲が父に言っていたこと。
「唯?」
ハッと気付いて口を押さえたものの、意味はなく
また湯気が出るそうなほど頬が真っ赤になった。
「そんな赤くならなくてもいいのに」
「だ、だって・・・!」
「まぁ・・・ゆっくり話そうよ?唯と和と俺、3人で話そうね」
玲の優しい笑顔に私の心臓も落ち着いて、和もニコニコと玲と話していた。
その様子が親子のようで、クスッと私は笑った。
家の前まで来ると、丁度自転車をおした光が外に出てきた。
「あれ、美唯?具合大丈夫なのか?」
「うん、私的には大丈夫。けど、海ちゃんには体弱ってるって言われちゃったよ」
「そうか、あ、それじゃぁ臨夢にあったんだ?」
「必然的にね・・・?と言うか、臨夢、なんかドSになってない?」
「んー・・・そんなもんだろ。あいつは。」
「そうなのかなぁ・・・。まぁ、光とは違って紳士的だけどねっ」
「嫌味だなお前。っと、もう行かないと」
「何処行くの?」
「明日大学の展示会なんだ。だから手伝いにな」
「そっか、がんばってね」
「おう、んじゃぁな!」
そういって、さって言った。やっぱり臨夢と反対だなぁ・・・
「疲れた・・・」
玲がソファに座ってうなだれた。
それもそうだ、私にずっと付き添っててくれたんだから。
悪い事したな・・・と思いながら玲の隣に座る。
「ごめんね、長くつき合わせちゃって。今日も学校行けなくて・・・」
「俺は大丈夫だよ。・・・けど、和羽が心配、かな」
キッチンで用事している和の方をチラッとみる玲。
「・・・私も心配だよ?けど、ね。和羽、こういう事にはあまり触れてほしくないみたいでね・・・」
「そっか・・・。それならわざわざ触れたりしないけど・・・ね」
話が切れたところで和が水とジュースを持って戻ってきた。
「はい、飲み物」
「ありがと、和羽」
「ありがとう、和」
相変わらずニコニコしている和。
・・・この子は、最近隠し事をするのがうまくなった気がする。
前までは顔にすぐ出ちゃうような子だったけど、最近はニコニコして
全然なんともないように振舞うのだ。
・・・私はそれが少し辛い。
「ね、玲兄ちゃんは今日帰るの?」
「ん?そうだね、帰らないとここの家に迷惑だね」
「迷惑じゃないけど・・・帰らないと、家の人、心配するもんね?」
何も知らない和は残念そうにしながらそういった。
「ごめんね、玲・・・」
「いいよ、何も知らないんだから。ね?」
少し寂しそうだけど、玲は笑って、荷物を持って玄関に向かった。
和は寂しいのか、なんなのか、自分の部屋に上がってしまった。
「それじゃぁまた明日、大学でね」
「うん、また明日。」
優しく甘く笑ってから、玲は帰路についた。




