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*第14話*

「え・・・?」

「やりたくないって言う人ほどさ、歌声がすごく綺麗って言うんだよね」

少し考えながら玲は言った。

私が、歌う・・・

「私、そんなにうまくないよ、、、?」

「いーや、絶対うまいよ。俺、なんとなくそんな気がするんだよね」

「・・・・歌ってもいいけど、、、笑わないでね?」

そう少し上目遣い気味で言うと玲は目をそらして

「大丈夫だよ絶対笑わない」

と言った。その時少し頬がピンク色だったような気がしたけど、気のせいかもしれない。


私は目を瞑って大きく息を吸う。

そして、久しぶりに歌う_母の歌。


『こぼれ落ちた涙_桜の季節が来たね_さよならの季節__』

これは母が作詞作曲した曲、「さよならの季節」。

『手を取り合って_すごした時間は_いつのまにか・・・舞い散り・・・

零れ落ちた涙_桜の季節が来たね_さよならの季節だよ_ラララごめんね...ありがとう

大好きよ....生きてる限り季節は__桜の季節やってくる__さよなら愛しています...』


歌い終わって、目を開けると、玲は焦点があっていない目でボーっとしていた。

「玲・・・?下手、だった?」

そう聞くと玲はハッと我にかえって

「凄く・・・綺麗だった・・・」

と何故かうっとりしながら言った。

そして、次には驚くべき事を言った。


「やっぱり・・・あの時の歌声は唯だったんだね・・・?」


私は数秒意味が分からず硬直していたがやがて

一応意味自体は分かったので我に返った。

「え、えっと・・・あのときの声、って?」

急いで訊くと、玲は目を細めて甘く優しく笑って話し始めた。


「小6の頃__俺は両親が離婚して、最初は母と暮らしてたんだけど

いつしか精神面で追い込まれ、限界が着たのか俺一人残して出て行った。

すると、俺はたちまち親戚の中でたらいまわしにされ

俺でさえも精神的にかなり已んだ時期があったんだ。それが中1の春ぐらい。」


・・・・そんな過去があっただなんて・・・。


「それでさ、俺はある日荷物まとめて家出したんだ。

そこの親戚には嫌な扱いを受けてね・・・?

まぁその時はもう今住んでる近くにいたから

友達の家に転がり込んだり父から送られてくる養育費で

ホテルに泊まったりしてたんだけど・・・さすがにそれも限界でさ...

その頃俺はしょっちゅう近くの公園で暇つぶしてたんだ。小さい子と遊んだりしてね。

そんなある日、俺はいつものように公園に言ったんだけど

不意に公園から物凄く綺麗な歌声が聞こえたんだよね。」


玲はちょっと遠い目をしながら言った。


「で、惹かれるようにして公園に行くと唯がベンチに座って

歌ってたんだ。今の歌をね?」

「・・・あ、思い出した・・・!」


私は多分その頃、母が死んだショックで体を壊していた。

それでも部屋にずっといるのは、息苦しくって公園に逃げ出したのだ。

そしてその時、チョコレート色の髪をなびかした男の子が

歌っている私の少し近くにいてびっくりして逃げ去ったんだっけ・・・


「あれ・・・玲だったんだ・・・」

「そう、俺だったの。」

「・・・そういえば私、あの時もチョコレート色の髪色って思ったの」

「へぇ・・・やっぱり人って過去も未来も思ってることは一緒なんだね?」

「そうみたいだね?」

私たちはクスクスを笑った。

すると玲はふとなにか思ったのか、考えているような表情になった。

「どうしたの?」

訊くと玲は「んー・・・」とうなってから

とんでも無い事を言った。


「俺たち二人で歌手デビューできないかな?」


私は何十秒とその言葉を理解する事に困った。

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