*第13話*
私はふと目を覚ました。
いつものように人の声がしておきたのだけど
今回は、・・・綺麗な歌声をともの目を覚ましたのだ。
誰かな・・・?凄く、綺麗・・・
もしかして・・・玲、、、?
『馬鹿なことして君傷つけた僕_この傷を癒すことなんてできやしない_』
私は知らない間に聞き入っていた。
この曲は、佐藤愛斗さんが歌ってた『キミ』と言う曲。
私の大好きな歌手さんの歌。
『一緒にいるだけ君を傷つける_苦しめる_じゃぁ・・・
近くにいなうほうがいいんじゃないか・・・?_』
これは愛斗さんが作った曲の中でも一番寂しくて悲しい曲。
・・・そういえば、この曲に恋愛で悩んでた光を重ね合わせてたんだっけ・・・?
『心が遠くても_つながっていられるんだろうか・・・?』
歌がおわって、私は知らず知らずにぽろっと声に
「綺麗・・・」
と出していた。
驚いて振り向いた玲の頬が少し赤い気がした。
「唯、起きてたのか・・・」
「ごめんね、驚かせちゃって」
「いや、別にいいんだけどね。ただ・・・俺、人前で歌ったの初めてだったから・・・」
さらさらで甘い色の髪の毛をいじりながら、恥ずかしそうに言う玲。
・・・ここまで綺麗な歌声だったら、絶対歌手になれるよね?
「それで・・・えっと、どうだった?俺の歌声、と言うか・・・」
私は少し困った。
・・・玲の歌声はただたんに綺麗、って言うわけじゃなくて・・・
「何と言うか・・・玲の甘い声と優しい声が心になじむ、って言うか・・・
うまくいえないけどね?えっと・・・大好きな歌声、かな??」
大好きな歌声って言うのはきっと人とは価値観の違いがあると思う。
玲は私にとってのかけがえのない大切な人で、大好きな人だから
そう思うだけなのかもしれない。
「大好きな歌声・・・って....」
「比べたら失礼だけどね、愛斗さんより大好きな歌声だったよ」
にっこり素直な笑顔を添えて言うと
玲は安心した表情も混じりながらの甘い笑顔で笑った。
「ありがとう」
そういいながら私の髪をわしゃわしゃとした。
それが少しくすぐったくて、首をすくめた。
「玲はジャニーズとかに入って歌手デビューするの?」
ふと思った事を聞くと玲は少し困ったように
「ジャニーズの方が手っ取り早いとはよく言われるんだけど
俺はあんまり好きじゃないんだよね、手っ取り早いって言うのが。」
「そっか、努力して夢を叶えたいんだね?」
「そう、俺の歌唱力が認めてもらえるように」
玲は歌唱力と言う言葉を強めに言って、力強く笑った。
ジャニーズとかだと、顔で決めることが多いし
歌唱力が認められる事が少ないのだ。
玲はそれがイヤだから、努力して夢を叶えたいんだ。
「玲はすごいね、夢があって」
私は少しだけボーっとしながら言った。
頭の中では、私の夢を探索していた。
「唯の夢は何?」
私の夢・・・か。
「私はこれといってないかな?」
正確には、もう捨てたかな・・・。
「でも、特別授業音楽、だよね?」
「・・・夢なんてとっくに捨てた。・・・もういらないよ」
「その捨てたって言う夢はなんだったの?」
「・・・私の夢は、玲と同じ歌手だったの。」
「え?!」
「意外でしょう?」
「うん・・・俺唯はてっきち作詞師方面なんだと・・・確かに唯と一緒に授業受けてたもんな。」
「そうなの。・・・けど、ね。お父さんが出て行ってからは
もうその夢もどうでも良くなっちゃって。」
「お父さんが原因・・・って、、、」
「お父さんはお母さんの歌唱力を否定して出て行ったの。
『あいつは、儲かるけどどうせ顔で売れてんだ。
馬鹿みたいな!歌声なんて普通同等』ってね・・・・」
「酷い人・・・だな」
「そうなの。それでね、私はもう歌手なんてやりたくないって思ったの。だから捨てた」
玲は少し何かを考えてから何か思いついたように目をパッと見開いた。
そして、とんでもない事を言うのだった。
「唯、歌ってみてよ?」
・・・・え?
私はきょとんとしながら、玲を見ていた。




