罪人と友人
「起きて"剣士レギナ"」
頬を引っ張れる痛みと共に目を覚ます
「…あれ、ここは、?いたっ…」
「ちょっと、動いちゃダメです!死んじゃいますよ?」
目の前にいるのは医者のような格好をした女性
視線を動かし、治療された跡があった
「一応縫いましたが完治したわけではありません…今日だけでも安静にしておいてください!」
「えぇ…わかったわ、ていうかあんた誰なの…?」
先程から一緒に戦っていた仲間を探しているが見当たらない
レギナは女性に疑いの目を向ける
「私ですか?私はこの国の王子殿下に雇われた医者、アリソンです。貴方に危害は加えません」
国も人手不足なんでしょうか?と呟きながらアリソンは笑みを浮かべる
「え、?でも国はドラゴンを消滅させる程の力を持っているはずじゃあ…?」
「あぁ、あれですか?実は私も近くで見ていたんです。あれは、少なくとも個人の力だけのものではありません」
「え、それってどう言う…?」
レギナが疑問を口にするとアリソンは部屋の隅から道具を持ってきた
「こういう魔法道具を使ったのではないでしょうか?ほら、ここに祈りを捧げると…」
「…!光った…」
「ふふ、有名なアイテムだと"杖"などがありますよ。ほら、魔法使いさんとかがよく持ってるヤツです」
続けて、祈りを捧げると魔法が使える。しかし、精度を上げたりより強力な魔法を使うためにはどうしても「アイテム」が必要になるんだ。と彼女は説明する
「あの少女はきっと「相手を拘束する魔法」をアイテムによって強化したのだと思います。まぁ、アイテムを使ったとしてもあの力は桁違いですが…」
「へぇ…アイテム、か…」
自身の剣を見つめる
先刻の戦いで他の者達と比べて自分が「弱い」ということを自覚した
(だったら、試してみるしかないよね)
レギナは一呼吸置いてから言う
「ねぇ、アリソン…少しお願いがあるんだけど____」
___________________
「はい、これで大丈夫かと」
翌日、傷を確認したアリソンは笑顔でそう言う
「ありがとう、アリソン…ほんと色々助かったわ」
「いえ、これが私のお仕事ですので」
アリソンはそう言った後思い出したかのように何かをレギナに手渡した
「なにこれ、手紙?」
「はい、国王陛下からです。勇者パーティ"全員"に配れと言う命令です。他の皆様には昨日お配りした、と聞いております」
ふーん、と呟いた後レギナは手紙の中身を見て絶句する
「勇者パーティとして任命…それに…罪人になった理由…?意味わかんない…」
レギナは考える
みんなの顔が目に浮かぶ。
(名前も知らない、でもあの人たちは仲間よ)
レギナはふっと目を伏せると、手紙をビリビリに破いてみせた
「まぁ、!良いのですか?大切なものとかでは…」
「いいのよ、これが"正解"なの」
にっこりと笑って手を大きく振る
「あんがとね!アリソン、あんたは私の友達よ!」
「うふふ、光栄です。剣士様お気をつけて」
友に別れを告げて皆が待っている部屋へ向かう
その足取りは軽いが表情は少し曇っているように見えた
(……誰か1人だけが、自由になるなんてこと…ないよね?)
剣士の手にはまだ手紙を破った時の感覚が強く残っていた




