勇者誕生
「おい、…213番プレリュード。次の勇者は貴様だ」
「…え」
牢屋の空気が凍りつく
勇者?
そんな言葉が、何故牢獄で俺に告げられている
「…言っておくが貴様が死んだところで代役を出すだけだ」
軍服を着た男が淡々と告げ牢の鍵を開ける
「…着いてこい。罪人」
男の背中を追う
廊下に響く足音は、俺のものだけやけに重かった
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男についていった先には既に3人のの罪人がいた
「そこの3人が貴様の仲間となる…まぁ、精々仲良くするんだな」
男が指を刺した方向に目を向ける
「やぁ、勇者!僕は僧侶プレクス。よろしくな」
「え、?あぁ…」
白髪の青年と握手を交わす
「い"や"ぁ!!いやよ…!まだ死にたくない…ッ」
赤髪の小柄な少女が震えている
「魔法使いイーオン、よろしく」
青髪の中性的な子が淡々と名乗る
「…鎮まれ貴様ら。貴様らは今日から勇者パーティだ。この監獄から出してやろう。ただし、肝に銘じておけ!お前達には代役がある。自分たちが特別だとは思うなよ!」
その言葉の後「ぎぃぃいいぃ」と言う音と共に後ろの門が開いた
プレリュードが後ろを向くと信じられないものが見えた
「…212、?」
床に転がる死体は血で濡れていて原型を留めていなかった
だが、首にかけられた札だけは、はっきりと読めた
__212
昨日までの勇者だ
「では行け!」
その瞬間視界が歪む
4人の体がふわっと浮き上がり、門の向こうへと引き摺り込まれていった




