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心を繋ぐ瞬間~浩之と莉奈~  作者: 乾為天女


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第二部 第8章: 友伽の変化

静かな昼下がり、カフェの中はいつもよりも少しだけ人が少ない。窓際の席に座る友伽は、ゆっくりと窓の外の景色を眺めながら、何かを考えているようだ。彼女の顔は、いつもよりも少し真剣な表情を浮かべている。


友伽は最近、少しずつ自分の変化を感じていた。以前のように他人の意見に流されることがなくなり、少しずつ自分の意見を持ち、それを言葉にできるようになった。しかし、それでも時折、自己表現に対する恐れが心の中にひょっこり顔を出すことがあった。それでも、彼女はその恐れに立ち向かう勇気を持ち続けている。


「自分の意見を言うことって、こんなにも勇気がいるんだな。」友伽は思わずつぶやく。自分の気持ちを言葉にすることが、こんなにも重く、でも嬉しいことなのだと、少しずつ実感し始めている。


その時、友伽の携帯が静かに震え、画面に浩之の名前が表示された。少し驚いたが、すぐに画面をタップして電話に出る。


「浩之さん、こんにちは。」友伽は笑顔を見せながら、穏やかな声で挨拶をした。


「おう、久しぶりだね。元気か?」浩之の声はいつも通り、穏やかで安心感を与えてくれる。


「元気ですよ。」友伽は少し照れくさそうに笑いながら答える。「最近、ちょっと色々と考えることが多くて…。でも、まあ、前よりは少しずつ自分に自信が持てるようになってきました。」


「それは良かった。」浩之の声には、少し嬉しそうな響きがあった。「そういえば、今日はどうしてるんだ?」


友伽は少しだけ考え込み、そして思い切って答えた。「実は、今日、アートギャラリーに行ってみようかと思ってるんです。最近、少しずつ自分の意見を言うことができるようになったから、今度は自分が作ったものを誰かに見てもらいたいって思って。」


浩之は少し驚いたように声を上げた。「すごいじゃないか!自分の作品を見てもらいたいと思うなんて、前では考えられなかったことだろ?」


友伽は少し照れたように笑った。「うん、確かに…。でも、少しずつ自分を表現することができるようになってきた気がして、それが嬉しいんです。」


浩之はその言葉に頷いた。「それが大事だよ。自分を表現することで、もっと自分を知ることができるし、他の人とも深く繋がれるんだ。」


その言葉に友伽は静かに頷き、少し心が軽くなったような気がした。「ありがとう、浩之さん。これからも、自分の気持ちを大切にして、少しずつ前に進んでいきたいと思います。」


電話を切った後、友伽はしばらく黙って窓の外を見つめていた。そこには、静かな街並みと穏やかな午後の光が広がっていた。自分が少しずつ成長していることを感じながら、彼女は何となく心の中に温かな気持ちを抱いた。


その後、友伽はカフェを出て、アートギャラリーに向かうことにした。以前の自分なら、他人の目を気にしてこんなことはできなかっただろう。しかし、今は少し違う。彼女は自分の作品を見せることに少しだけ自信を持っていた。


ギャラリーに到着した友伽は、受付で自分の作品が展示されているスペースに案内された。作品が並ぶ部屋の中で、友伽は少しだけ胸を高鳴らせながら自分の作品を見つめた。色彩豊かで、どこか柔らかな印象を与えるその作品は、まさに彼女の心の中を表現したものだった。


「これが、私の表現。」友伽は静かに呟いた。その瞬間、自分が作り上げたものが、自分だけのものではなく、他の人にも伝わることを感じた。


ギャラリー内で立ち止まり、じっと自分の作品を見つめていた友伽は、ふと後ろから声をかけられた。「素晴らしいですね。」


友伽は驚いて振り返ると、そこには見知らぬ女性が立っていた。彼女は微笑んでおり、その眼差しは温かさを感じさせるものであった。


「ありがとうございます。」友伽は少し照れくさそうに答える。


「あなたの作品、すごく魅力的です。色使いがとても美しいし、見る人に心を開かせるような力があると思います。」その女性は丁寧に言った。


友伽はその言葉に驚き、そして嬉しそうに顔を輝かせた。「本当にありがとうございます…。」


「あなたの作品がもっと多くの人に見られるべきだと思います。」その女性は微笑みながら続けた。「これからも、ぜひそのまま表現し続けてくださいね。」


友伽はその言葉に深く感動し、静かに頷いた。「はい、ありがとうございます。これからも自分の表現を大切にしていきます。」


その後、友伽はギャラリー内で他の来場者とも少し会話を交わしながら、自分の作品が少しずつ認められ始めたことに心から喜びを感じていた。


彼女が他人の評価を受け入れ、自分を表現する勇気を持ち始めたその瞬間、その心は確実に前に進んでいた。


第二部 第8章 終

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