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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
撫子マドモワゼル
99/146

サリーのマヌカン復帰

 ここは日比谷帝国ホテル。今日はパーティー。紳士淑女達が広間に集まっている。

「本日はお越し下さり感謝致しますわ。」

パーティーの主宰者でもある春子は来客1人1人に挨拶をする。

「お招き頂き光栄ですわ。春子様。」

貴婦人の1人が春子に挨拶をする。レースをふんだんに使ったピンクの生地のドレスを着ている。

「お久しぶりですわ。荻島夫人。」

「春子様、荻島夫人なんてやめて下さい。リリカでかまいませんわ。」

春子に挨拶した貴婦人はリリカであった。

「そうだわ、本日はマダムがいらっしゃると聞いたわ。」

マダムとはリーズのことである。ロシアから亡命してきたリリカはかつてマダムの店で働いていた。今は公爵家に嫁ぎ店を辞めている。

「ええ、今日はそのために皆様に来て頂いたのですもの。」

ファッション対決の話は貴婦人達も皆聞いていたようだ。

「春子様、マダムの衣装はどれも素敵だわ。だけど栄子夫人のセンスもわたくし悪くないと思うわ。」

「そうね、リリカさんたら。私達親戚よ。春子様なんてかしこまらなくてもいいわ。」

リリカの夫は春子の遠縁にあたるのだ。

 二人が談笑に浸っていた時だ。


「あら、何かしら?」

「いよいよ始まるのね。楽しみだわ。」


会場の明かりが薄暗くなり、オーケストラが響きわたる。

「紳士淑女の皆様、本日はお集まり頂き誠にありがとうございます。只今よりマダムリーズと高草木栄子夫人のファッション対決、 コンバット ド ラ モードを初めさせて致します。」

春子の家の執事が告げる。

「ではさっそく登場して頂きましょう。」

オーケストラの音楽が再び奏でられると広間の扉がスポットラストで照らされる。

最近劇場で使われるようになったものを春子が父に頼んで帝劇から借りてきたのだ。

 扉からは洋装に身を包んだサリーが現れる。

水色のブラウスに紺のキャメル色のジャケットにタイトスカート、髪は帽子で隠している。パリコレクションに出演経験のあるサリーは白いハイヒールで姿勢を崩さず一直線に歩いていく。広間の真ん中に来るとサリーは帽子を取る。


「サリーさん?!」

「嘘でしょ?」



会場の貴婦人達はざわつく。サリーのブラウンの長い髪肩より短く切られていた。

「活発的なスタイルですわ。」

「これもきっとマダムの演出ですわ。」

ギャラリーで見ていた春子とリリカはそう納得する。リーズは流行の最先端を行くのだから。

「ご紹介致します。」

サリーが再び扉の方に手を向けると栄子が現れた。

「高草木夫人?!」

リリカは仰天する。

栄子はサリーの元まで行くと挨拶する。

「本日のコーディネートを考案致しました高草木栄子でございます。」

サリーをコーディネートしたのは栄子であった。その事実に一同は圧倒した。

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