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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
特別編 偽りの令嬢
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最終回 公爵令嬢の帰還

 翌日各社の新聞の表紙は一大ニュースを飾った。

「家出から戻った令嬢は偽物。」

公爵令嬢になりすまし財産を騙しとろうとした。と新聞には椿の写真が記事と共に乗っていた。


「貴女は本当に公爵令嬢の西宮鮎子さんなのですか?」

核心をつかれ、狼狽える椿の元に鮎子と蘭子が現れた。鮎子は自分こそが本物の西宮鮎子であると証言。身分証として携帯してる旅券を記者達の前で見せた。

 鮎子は全て話した。自分になりすまし宮家と婚約しようとしてたこと、暴行事件も全て椿がでっち上げたこと、そして自分は蘭子と共にイギリスに渡っていたこと。

お咲が椿と浅草の旅館で同僚だったことをつけ足し、椿の野望は地に落ちた。

 その後正体を知られた椿は当然西宮家の屋敷を追い出された。




 あれから2週間後。

「蘭子様、ご試着の方はいかがでしょうか?」

サリーが声をかける。

鮎子に連れ添われリーズの店に来ていた。あの後鮎子の両親は蘭子に謝罪した。自分達の借金のために蘭子を女郎屋に売ったこと。借金は作り話だったと鮎子が話してくれたおかげで自分達がいかに愚かだったかと頭を下げて謝ってくれた。

そのおかげで鮎子は両親とは和解。鮎子は公爵家を継ぐことにした。当然妻の蘭子も西宮家に迎えられた。

「鮎子様、蘭子様の支度ができました。」

蘭子はサリーに手を引かれ試着室から出てくる。


蘭子は濃いピンクのドレスで現れる。裾には蘭の花が並べられている。このドレスは蘭子の社交界進出のために用意したのだ。

「いかがでしょうか?鮎子様。」

「上出来だ。君は今日から公爵夫人になるんだよ。これくらい華やかな方が人目は引くだろう。だけどどんなに周りが夢中になっても僕が一番に君を見ていることだけは忘れないでほしい。」

「はい、鮎子様」



「ごめん下さい。」

「いらっしゃいませ。」

リーズがお客様を出迎える。

「あら、蘭子ちゃん?」

来客が蘭子に気づく。

「桜子さん?お久しぶりです。」

桜子。彼女は舞台女優だ。蘭子も一度だけ彼女の申し出で一緒に舞台に立ったことがある。

「マダムも蘭子ちゃん聞いてよ。」

急に桜子が話し出す。

桜子はこないだ映画の主演オーディションの最終選考に残った。しかし監督は適任を見つけたと言ってオーディションは中断。桜子は脇役として出演することになったという。

「その適任って子はね」

桜子はチラシを見せる。

「えっ!!」


一同は驚いた。

その主演に選ばれたのは椿だった。監督は彼女のニュースを新聞で見てこの娘しかいないと感じたのだという。

「それってどんな役なんですか?」

サリーが尋ねる。

「他人を蹴落として社交界に這い上がる悪役令嬢ですって。」

「そのまんまじゃないか。」

一同は笑い出す。

「ねえ蘭子ちゃん」

桜子が蘭子に話しかける。

「蘭子ちゃん、公爵家にはいるんですって?」

「はい、西宮公爵夫人になるんです。」

「良かったわね。舞台じゃなく実生活で蘭子ちゃんのなりたいお姫様になれて。」

「はい。」

蘭子を笑顔で答える。




その様子をリーズは遠くから眺めていた。

「マダム、皆さんに紅茶入れました。マダムもどうぞ。」

お咲が全員分の紅茶を入れやってくる。

「ありがとう。」

「マダムどうされましたか?」

「いえ、なんでもないわ。ただ」

「ただ?」


リーズは蘭子を見てふと思った。新しい洋服との出会いは新しい道への入り口なのだと。

                  FIN

特別編書き終わりました。

椿主役のつもりだったけどなんだかんだで鮎子と蘭子が良いとこどりしちゃったなと。アンチヒロインはまだまだ勉強中ですね。

好きですね。この百合カップル。

蘭子は女優になっても良かったのですが宝塚の娘役的なイメージで書いていて、鮎子だけのプリンセスにしたかったので公爵夫人にしました。

 桜子さんは2作目ヒロインなのにあまりあれ以降出番少なかったので久々に登場させてみました。

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