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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
特別編 偽りの令嬢
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偽令嬢の罠

 椿は春子の元へと近づく。

「春子さん、今日はお越し下さって嬉しいわ。」

「鮎子さんこそご婚約おめでとう。ドレス素敵だわ。」

「あら春子さん、」

椿は春子の傍らにいる燕尾服姿の鮎子に気づく。

「そちらがバイオリン奏者の旦那様?」

椿はそんなことまで調べあげていた。

「いいえ、かなめは本日は演奏会に出向いておりまして、代わりにかなめの兄にエスコートをお願いしたの。」

鮎子は春子の夫かなめの兄として出席した。

「一斗・ジークリットと申します。お見知りおきを」

鮎子は椿右手を取り手の甲にキスをする。


(さすがはイギリス育ち。紳士的な態度がまた違うわ。)



 その時オーケストラの演奏が始まり出席者が互いにパートナーを見つけては踊り出す。

「鮎子さん、宜しければお相手願えますか?」

椿は春子の兄を装おった鮎子に誘われる。

しかし椿は戸惑っていた。誘いは嬉しいがまずは婚約者であるりょうと踊るべきではないかと。

「鮎子さん」

椿の元にりょうがやってくる。

「行っておいで。僕とは後で踊ろう。」

「ええ」

椿は鮎子の手を取り踊り出す。


「宜しければお相手願えますか?」

春子がりょうに誘われる。

「ええ」


踊ってる間も春子は鮎子が気がかりだった。

鮎子と椿の姿を探すが見当たらない。   

(鮎子さん何か考えがあるのかしら?) 

「どうされました?」

「いえ。貴方は平気なのかしら?自分の妻になる女性が他の男性と踊るのは。」

「なかなか鋭い指摘ですね。ですが我々貴族はあらゆる業界との繋がりが大事です。むしろ引っ込み思案で他者との交流を避けようとする貴婦人のが困りますね。」





 その頃椿は会場を離れていた。鮎子に2人で話したいと誘われた。

最初は戸惑ったが時間はあまり取らせないということで着いていった。

「さあ入って。」

鮎子は使われていない応接間へと椿を入れる。


「わたくしをどうなさるおつもり?」

「どういうつもりだ?僕のふりをして。目的は何だ?西宮家の財産か?それともあの男か?」

「何をおっしゃってるのかしら?わたくしは西宮鮎子ですわ。僕のふりってあなた男でしょ?」

鮎子は燕尾服のジャケットを脱ぎ捨てブラウスのボタンを開ける。

「何をなさるの?おやめになって。」

「別にそんなつもりで連れ出したんじゃない。」

鮎子は胸元を見せる。

「僕は女だ。春子さんは僕の女学校の同級生で協力して僕を連れてきてもらった。」

椿はようやく理解した。今目の前にいるのが本物の西宮鮎子。


珠家の旦那様も言っていた。男装して女中とか駆け落ちしたと。


「貴女は駆け落ちして家族を捨てのよ。それを今さら出てきて何かしら?貴女こそ何が目的?」

「正直僕はあんな連中家族だなんて思ってない。どうでもいい。ただ君の目的が知りたい。正直に話せば許してやる。だけどそうじゃなきゃ分かるよな?」

「わたくしを憲兵にでも着き出す気かしら?」

「そんなことはしない。君の正体を今夜の招待客に話したらどうなるかな?」


椿は着ているドレス破り始める。胸元、そして肩、袖とそしてソファーに倒れかかる。


「きゃあ!!やめて下さい!!」


椿の悲鳴が響き渡る。

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