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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
特別編 偽りの令嬢
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婚約披露の招待状

 昼下がり、ミセスポートリーの邸宅に訪問者があった。

「蘭子ちゃん」

「春子さん」

来客は春子だった。庭で花壇の手入れをしていた蘭子が対応した。


「蘭子ちゃん、鮎子さんいるかしら?」     

「はい、どうぞお上がり下さい。」


春子はリビングで待つことになった。蘭子はお茶を出すと鮎子を連れてくる。

「春子さん、君の方から来るなんて珍しいな。」

「鮎子さん実はこれ。」

春子は1通の手紙を見せる。それは婚約披露パーティーの招待状であった。差出人は「西宮鮎子」

そう鮎子からの招待状なのだ。住所も鮎子の実家が記載される。

「実はマダムのお店で不思議な娘に会ったのよ。」

その娘は男装する前の鮎子とそっくりで自ら「鮎子」と名乗った。そして春子のことも知っていたのだ。

「他人の空似ってやつじゃないのか?それに鮎子なんて名前僕以外にもいるだろう。」

春子も最初はそう思った。しかし西宮家の住所が書かれた招待状を見ると赤の他人とは思えなくなった。

「ちょっといいか?」

鮎子は招待状を開ける。そして新郎の名前に目をやる。

「珠家?やっぱりな。」

「その方ご存知ななの?」

珠家家とは古くからの付き合いがある。宮家と遠縁にあたる。会社を経営しているが今は右肩下がりだと聞く。

「縁談話が来ていたのは事実だ。」

だけどそれが嫌で蘭子とかけおちしたのだ。


誰かが自分になりすましているのか?でも一体何のために?

「ねえ、鮎子さん探ってみない?」

確かに気になる。しかし

「僕はいい。西宮家とは縁を切った。今の僕の家族は蘭子と彼女の兄妹だけだ。あいつらがどうなろうとしったことではない。」

「でも鮎子さん、それでいいの?」

「どういうことだ?」


春子は鮎子が家族と和解することを提案した。

「鮎子さんがここで人肌脱げば家族も貴女を受け入れるはず。蘭子ちゃんにもきっちり謝罪させらるんじゃないかしら?」


 確かにそれは一理ある。投資話に乗せられておまけに失敗したと嘘の話に騙され蘭子を売ろうとした。蘭子がくだらない話のために犠牲になりかけたのは事実だ。それだけは未だに根に持っている。

謝罪の一言くらいあってもいいかと。


「どうする?鮎子さん」

「分かった。春子さん、その婚約披露というのに同席させてもらえるか?」





 それから1週間後マダムリーズのお店ではリーズとサリーが注文の仕上げにかかっていた。  

「お咲ちゃん」

店番をしていたお咲がリーズに呼ばれる。

「はい、マダム」

「お咲ちゃん、このジャケットボタン付けてもらえる?これと同じように。」

リーズはジャケットと一緒にデザイン画を渡す。

「はい。ってあれ?」

お咲はデザイン画を見て不思議に思う。

「マダム、これ男物ですよね?男性用の物も作られるのですか?」 

リーズはお咲の質問に笑い出す。

「うふふ、お咲ちゃんは面白いこと言うわね。この注文は女性のお客様からよ。」 

「女性?」

「ええ、そうよ。」

サリーもリーズに続く。

「惚れた少女のために男装して遊郭に行ったり、下働きの少女と舞踏会でダンスする女性よ。」


お咲はそれを聞いて1人のお客様を思浮かべた。当然女性の。

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