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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝都の少公女
59/146

奉公少女

新キャラ登場します。

タイトルだけにあの作品の名シーンと少し似てるかもしれません。

ラストに少しだけロシアから来たあの娘が登場します。

「お嬢様。」

その夜おりさが玲香の部屋を訪れる。

「こちら鮎子様から。」

おりさは鮎子から預かった封筒を渡す。それは舞踏会の招待状だった。ミセスポートリーが公爵家に玲香の話をしたら是非会いたいと言ってくれたのだ。玲香は壁にかかってる白のドレスを見上げる。

(やっと着ることができるわ。)

「お嬢様、鮎子様も舞踏会いらっしゃるそうよ。」

「良かったわね。」



 翌日玲香はマダムリーズのお店に向かった。春子が捨てたカーテンのレースやかつて着ていたワンピースやブラウスを持って。おりさは鮎子も舞踏会に出席すると知ってから大喜び。鮎子と踊れることをいまかいまかと待っている。しかしおりさには着ていくドレスがない。そこで玲香はいつも守ってくれてるお礼も兼ねておりさにドレスを作ってあげようと考えた。

春子に相談したらマダムリーズならきっと力になってくれると言われ訪れたのだ。






 道中玲香は質素な着物の少女に出会った。

年は13か14、玲香より少し年下に見える。彼女はうつむき加減になって公園の椅子に座っていた。

「大丈夫?」

玲香は少女に声をかける。少女は黙ったまま何も言わない。具合が悪いのか真っ青な顔をしている。

少女はゆっくりと顔を上げる。

「ありがとう。平気よ。朝から何も食べてなくて、少しお腹がすいていたの。」

玲香はパンを売った露店を見つける。玲香はパンを少女に買い与える。

「ありがとう。美味しいわ。」

「良かったわ。でもどうして?お家は?両親はいないの?」

玲香に尋ねられ少女は口を開く。





 少女の名前はお咲。彼女は浅草の旅館で住み込みで働いている。元は伊豆に住んでいたが家が貧しく弟や妹がたくさんいて家族を飢え死にさせないため、そして父が博打で作った借金返済のために奉公に出された。

「家族のために私が働かなきゃいけないのは分かってるのですが」

お咲は自分の心境を話す。朝が早かったり夜遅いのは耐えられるとしと、先輩の女中達のいびりが酷いという。お客様に誤って違う料理を出したときは罰としてご飯抜きにされたり、台所の後片付けを1人でやらされたという。


(わたくしと一緒だわ。)


玲香はそう思ったが話はそれだけでは終わらなかった。

昨晩お客様の部屋から財布がなくなり、世話係だったお咲が疑われた。しかしその夜は非番で仲のいい同僚と食事に行っていた。同僚は証言してくれたが先輩やお客様は取り合ってくれなかった。

その後お咲は浴室に連れていかれ冷水を浴びせられた。今朝犯人が見つかった。お客様が留守の間に忍び込んだ空き巣だった。お咲の容疑は晴れたが誰1人お咲と口を聞く者がいなくなったという。 

「それは酷いわ。」

お咲が置かれている境遇は自分よりも酷い物だと玲香は思った。玲香も似たような立場だがおりさがいつも守ってくれる。でもお咲は誰も助けてくれない。


(そうだわ。)

「ねえ、わたくしと一緒に来てくれる?」

「どこに行くのですか?」

「素敵なところよ。」

玲香はお咲の手を引いて歩き出す。





 その頃マダムリーズのお店には来客があった。ウェディングドレスのデザインの相談に来ているのだ。来客はリーズが描いたデザイン画を1枚1枚目を通す。

「マダムのデザインはいつ見ても美しいわ。どれにするか迷ってしまうわ。」

「わたくしも貴女のウェディングドレスを作れるなんて思いもしなかったわ。最高のドレスにしなくてはね。リリカ。」

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