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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝都の少公女
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おりさの初恋

今回はおりさメインでいきます。

 「さあ入って。」

玲香は部屋に入るとデビュタントとして着るドレスに着替える。

そして質素な木のテーブルの上に木の皿を並べ春子からもらったパンを半分に分けお皿の上に置く。

「本日は我が家の舞踏会にお越し頂きありがとうございます。」

ドレスを摘まんでお辞儀をする。そしておりさに席を勧める。

「お嬢様、それではお嬢様が舞踏会を開いてるみたいじゃないですか。私達は招かれる側ですよ。」

「うふふ、そうね。」

2人の間に笑いがおきる。

「じゃあ、次はおりさがわたくしを出迎えて見て。」

おりさは立ち上がり、玲香の前に行くとお辞儀をする

「ようこそお越しくださいました。プリンセス。」

まるで横浜のお屋敷にいた時と同じように。しかしどこか自信がなく、ぎこちない。

「おりさ、どうしたの?いつもの貴女らしくないわ。」


「ごめんなさいお嬢様。今日マダムりーズのお店でお会いした方みたいに凛々しく振る舞えなくて。」

おりさが言ってるのは鮎子のことだ。

「鮎子さん、女の人なのに、少女歌劇の男役みたいで本物の男より美しかったです。」

おりさはうっとりとしながら鮎子の話をする。

「おりさ、鮎子さんのこと好きなんでしょ?」

玲香は鮎子に聞かれ頬を赤く染める。

「分かるわ。あの方素敵な方ですもの。」

「お嬢様、鮎子さんも舞踏会に来るかしら?」

「きっと来るわよ。ミセスポートリーの執事をしてるから。」 




 

 

 翌日おりさは玄関の掃除をしていると来客があった。スーツ姿に帽子を被っている。

「やあ、おりさちゃん」

来客は帽子を取る。おりさは顔を真っ赤にして来客を見つめていた。


(鮎子様?!)

スーツ姿の来客はおりさの愛しい人だった。おりさは緊張して声が出ない。ただ直立不動で鮎子の顔を見つめる。

「おりさちゃん、僕の顔に何かついてる?」

おりさは顔を赤く染めたまま首を横に降る。


鮎子が今日福島家を訪れたのは春子の様子を見に来るためだ。鮎子が客間で待っていると身重の春子がおりさに支えられながらやってくる。

おりさは「失礼致します」とだけ言って部屋を出る。


「鮎子さん、来てくださったのね。嬉しいわ。観に行ったわよ。蘭子ちゃんの舞台。」

「ありがとう。それと今日はこれ持ってきた。」

鮎子は紙袋を手渡す。中身は紅茶だ。

「まあ、こちら三越のだわ、ありがとう。」

「体調とか大丈夫か?」

「ええ、こちらに帰って来てから可愛いらしい召使いさんが2人入らして私に優しくしてくれるから私もこの子も嬉しいわ。」

春子はお腹をなでる。

「その子って玲香ちゃんとおりさちゃんか?」

「ええ。」


2人の会話を障子越しにおりさは聞いていた。

おりさは愛しい人の前で自分を良く言われてるのが嬉しかった。



その時、台所からお皿が割られる音が聞こえた。

「きゃあ!!」

叫ぶ声の主は玲香だった。

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