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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝都の少公女
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幻のデビュタント~前編~

 玲香が社交界デビューする日全てが変わってしまった。

おりさにドレスを着せてもらっていると母が部屋にやって来た。

「玲香、大変よ!!お父様が!!」

月島家に届いたのは訃報を知らせる手紙であった。

父が乗務していた船が事故にあった。父は乗組員と共にいたいで発見された。

「お父様!!」

玲香はその場に鳴き声崩れる。

 その後月島家は事故死した乗組員の遺族や積み荷の差出人に支払う賠償金のため会社や屋敷、家具と金目になるものは全て売り払った。

玲香の白のドレス以外は。

そしておりさと2人で福島家に奉公に出された。

玲香にとって人生最良の日となるはずだったが、その日は人生で最悪の日になってしまった。


「お嬢様」

ドレスを見上げる玲香におりさが声をかける。

「お嬢様、行きましょう。遅くなるといけません。」

「ええ。」

2人は手を繋いでお使いに行く。お出掛けの時はいつもこうして歩く。それは横浜にいた頃から一緒だ。





 その頃マダムリーズのお店にはイギリスからやって来た夫人が来店していた。彼女はミセスポートリー。夫が日本で事業拡大するため夫や子供、使用人達と共に日本にやってきたのだ。

ミセスポートリーは執事を1人伴っている。今日は指折りの公爵家の舞踏会に着てくドレスを買いに来たのだ

「マダム、お店やめてしまうのね。せっかくうちの侍女から聞いて贔屓にしようと思ったのに残念だわ。」

「ありがとう。ミセスポートリー。寂しいけどわたくし自身が決めたことだから後悔はないわ。」 

リーズはパリのファッションショーでオートクチュールから声をかけられたのだ。こっちでデザイナーをやらないかと。

「私もマダムが検討すると答えたときは驚きました。」

サリーがお茶を持ってくる。

リーズは受けない仕事にはきちんとノーを示す。きっとパリの変化に感銘を受けたのだろう。

「パリは常に新しい物を追う街。それにリリカも公爵家との結婚が決まってやめてしまうし、またサリーと一から始めるのもいいかと思いましたわ。」


「ごめん下さい。」

そこに玲香とおりさがやってくる。2人は店内を目を丸くして見渡す。

「ごきげんよう。」

リーズが2人にお辞儀をする。

「あの福島家の使いで参りました。頼んでいたまたねてぃ、えーと、」

おりさは慣れない横文字をたどたどしく発言する。

「おりさ、マタニティードレスよ。」

「春子様のね、少しお待ちになって。」

リーズは奥にドレスを取りに行く。

「福島家って君達は春子さんの実家の使いか?」

執事はおりさに声をかける。

「はい、若奥様をご存知なのですか?」

「ああ、女学校の同級生なんだ。」


(女学校の同級生?!)

おりさはそれを聞いて一瞬ドキッとする。

「こんな格好だから混乱させてしまったね。これでも僕は女だよ。西宮鮎子、宜しくね。」

おりさは出された鮎子の手を握る。


(女の人!?でも素敵な方。お嬢様が少女雑誌で見せてくれた少女歌劇の男役みたい。)


「ねえ、お嬢様?」

玲香の方に顔を向ける。

「お嬢様?!どうされましたか?」


玲香はその場に泣き崩れ倒れていた。

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