開幕!!乙女達のパリコレクション
パリコレの話は最終回です。
リーズとサリーがパリに到着してから1週間、パリ1番のラグジュアリーホテルでショーが開催されることになった。
オートクチュールのデザイナー達はマヌカンを連れて準備にかかる。
ホテルにはプロのメイク係が来てくれ、メイクとへアセットをしてくれる。
サリーもリーズが用意したドレスに着替え、メイクをしてもらう。
ドレスは薔薇のコサージュが胸元についたワインレッドでオフショルダーでフリルが3段になっている。髪はアップにし、前髪だけは垂らしている。赤い口紅も塗っていつになく大人っぽい。まるで別人になったようだ。
「サリーさん」
そこに衣装に着替えたマーシュもやってくる。
マーシュは白地にピンクの花柄のドレスに黒いファーを羽織っている。ドレスは膝竹で中にパニエが入っている。髪は黒髪を頭の天辺でお団子にしている。靴は白いハイヒールを掃いている。
「マーシュさん、可愛いわ。お似合いよ。」
「ありがとう。サリーさんも綺麗。一瞬誰だか分からなかったわ。」
「あらあら、衣装なら少しは見栄えがいいじゃない。」
憎まれ口を言いながらやってきたのはセレナだった。スタイリッシュな紺のドレスに腰に白のベルトをしている。
「マーシュさん、ステージは転んだりしないでね。貴女はオートクチュールのチーフデザイナーが推薦したマヌカンなんだから。」
そう言って楽屋へと向かっていった。
「私、会場下見してくるね。」
マーシュも去っていく。
「サリー」
今度はリーズがやってくる。隣に男性もいる。
「マダム」
「綺麗よ。メイクも衣装も完璧ね。こちらオートクチュールのチーフデザイナーのムッシュベルナンドよ。」
マダムは男性を紹介する。
(チーフデザイナー?)
「はじめてまして、サリーです。」
「ショー頑張ってくださいね。」
「ウィ」
ベルナンドが去った後サリーはリーズに聞いてみた。
「マダム、マーシュさんをマヌカンに推薦したのって、あの方ですよね?チーフデザイナーの彼がなぜセレナさんのような華やかなマヌカンでなく小柄な彼女を?」
「そうね、彼女が新しい時代のパリに必要だったからじゃないかしら。勿論セレナさんのように華のあるマヌカンがいればショーは美しくきらびやかな物になる。だけどこのショーは洋服が欲しい顧客のためのもの。当然顧客にマーシュさんのような背丈が高くない方だっている。どんな顧客にも自分の着たい服を楽しんでもらう、そのためにはマーシュさんのようなマヌカンが必要だとわたくしは思うわ。」
サリーは納得したように頷いた。
「サリーさん、スタンバイお願いします。」
進行役のスタッフが呼びに来た。サリーはスタッフに連れられランウェイの裏に向かう。
ランウェイ裏からショーの観客が見える。皆ランウェイの周りに配置された椅子に座りショーの幕が上がるのを待っている。観客はパリの貴婦人や百貨店のお偉いさんなど様々だ。
やがてホールの明かりが落とされオーケストラが音楽を奏でる。
マヌカン達は1人また1人とランウェイを歩き出す。
サリーの番がやってきた。サリーはランウェイへと足を踏み出す。
その姿をリーズは客席から微笑ましそうに見ていた。
ショーは何事もなく無事幕を降ろした。
「マダム」
終演後リーズに話しかけてきたのはベルナンドだった。
「マダム、貴女のドレス素晴らしかったです。宜しければ是非うちの専属デザイナーになって頂きたいのですが、いかがでしょうか?」
「悪い話ではありません。是非検討させて頂きますわ。」
リーズはベルナンドにお辞儀をすると会場を後にする。
「すみません?」
ベルナンドに1人の令嬢が声をかけてきた。彼女はロシアから亡命してきた貴族だと言う。
「あの、ピンクの花柄のドレス可愛かったです。あのドレスぜひ購入したいのですが。」
それはマーシュがショーで着ていた衣装のことだった。
「はい、お作りしますよ。お嬢様。宜しければ是非こちらの店をお訪ね下さい。」
ベルナンドはそう答えると自分の名刺を渡す。
最後に出てきた令嬢はあの娘です。
次回からはまた帝都に話が戻ります。




