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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
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パリの乙女蘭子~前編~

この百合カップル私的には好きなので書いてみました。

「蘭子ちゃんに鮎子ちゃん来てくれたのね、嬉しいわ。」


鮎子と蘭子は桜子の自宅に招かれていた。

鮎子達はイギリスにいたがミセスポートリーの夫が日本で事業を始めることになり再び日本に戻ってきたのだ。

「桜子さん、お話って何ですか?」


 桜子は今女優をしながら新しい芝居を企画している。それは女性の役者だけで芝居をしようというのだ。

「女性だけって少女歌劇みたいなのですか?」

「そうよ。」

かつて桜子が帝劇で演じた「パリの乙女ロザリー」をジュローデルとの身分違いの恋に焦点を当て再演しようというのだ。

今回は帝劇ではなく小さい劇場で少人数で行いたいという。

「桜子さんがロザリーを?」

「いいえ、私は主役のジュローデルをやろうと思うの。男役よ。それでロザリーを蘭子ちゃんにお願いしたいの?いいかしら?」


ロザリーといえばピンクのドレスでベルサイユ宮殿の舞踏会。蘭子にとっては願ってもみない話だった。

だけど


「嬉しい話だけど私はお屋敷の仕事が」

「それなら心配いらないわ。」

今回桜子が声をかけたのは無名の女優ばかり。皆副業をしてる者ばかりだ。

「仕事が終わってから夕方皆で集まるの。勿論鮎子ちゃんがいいって言えばの話だけど。」

「僕はかまわないよ。夕方からならそんなに仕事はないだろうし。」





 

 

 鮎子がミセスポートリーに話をつけてくれたおかげで蘭子は稽古に参加できることになった。稽古は本番と近い格好で行う。

男役の桜子はブラウスに半袖のジャケットを着用し、黒のロングパンツを履き、髪は一つにまとめている。

蘭子も白いブラウスにピンクのお稽古スカートで現れる。髪にはピンクの薔薇の髪飾りもつけている。アクセサリーも動いて落ちないか確認するために稽古でも本番と同じ物をつける。



稽古は桜子と蘭子の2人のシーンから始まる。ジュローデルがロザリーの働くお屋敷を訪れるシーンだ。




「やあ、ロザリー」

桜子の台詞から入る。

「ジュローデル様、ようこそお越しくださいました。今旦那様を呼んで参ります。」

去ろうとする蘭子。桜子が手を握る。

「待ってくれ、ロザリー。今日は旦那様に用が会って来たのではない。君に会いに来た。」

「わたくしにですか?」

「ああ、あの舞踏会で一目見てから君のことが忘れられないんだ。」


2人は見つめ合う。


演出家が芝居を止める。

「2人とも良かったよ。特に蘭子ちゃん、本当に桜子ちゃんに恋してるように見えたよ。」

「ありがとうございます。」



稽古が終わり家路に着くと自分の部屋で身支度をする。使用人の部屋は広くはないが個室が与えられてるのが有難い。


扉を叩くノック音がする。

「はい」


鮎子がやって来た。

「蘭子、芝居の稽古はどうだった?」

「楽しいですわ。今日は先生にお褒めの言葉を頂きました。」


(本当に桜子ちゃんに恋してるようだったよ。)

演出家の先生の言葉が過る。


しかし鮎子の前では言わなかった。

「良かった。でもあまり無理はしないでくれ。」

鮎子はそれだけ言うと部屋を後にする。


蘭子は考えていた。

確かに桜子のことは好きでもそれは女優としての尊敬。

(本当に桜子ちゃんに恋してるようだった。)


私が一番好きなのは鮎子様なのに。


蘭子は複雑な気持ちになった。

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