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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
男装の令嬢
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おとぎの国への誘い

「いらっしゃいませ。」

今日もマダムリーズのお店には美しいお洋服を求めてお客様がやってくる。今日のお客様は桜子さん。彼女は舞台女優をしている。

「新しいスカートとペティコート頂けるかしら?」

「はい、こちらでございます。」

サリーが案内する。

「桜子様、ようこそいらっしゃいませ。」

奥からリーズが現れる。

「マダム、ごきげんよう。今日はこの赤いフリルのスカートと黒のペティコートにするわ。」

「かしこまりました。」

サリーが梱包を始める。その脇でテーブルを囲みリーズと桜子がお話している。

「桜子様ダンスやられてるのかしら?」

「いえ、マダム。今度の舞台のお稽古で着ようと思うの。」

「まあ何の演目ですの?」

「カルメンですわ。情熱的な恋に燃えるスペインの美女。良かったら観に来てくださいね。」 

そんなやりとりをしているとサリーが商品を持ってくる。

「桜子様お待たせ致しました。」

リーズとサリーは桜子を見送る。



「ごきげんようマダム」

リーズとサリーに一息つく暇もなく次のお客様がやってくる。

顧客の春子が級友の鮎子を連れてきたのだ。

春子は女学校のときとは打って変わった洋装で鮎子は桃色の振り袖を着ている。

「ごきげんよう春子様こちらの方は?」

リーズは鮎子に気づく。

「はい、鮎子と申します。春子さんと女学校の同じ級なんです。」

「マダム、舞踏会のドレスはどうですか?」

春子が訪ねる。

「もうすぐできるわよ。」


春子がリーズと話す傍ら鮎子店内のドレスを鏡の前で合わせてみる。まるで童話の世界に迷い混んだ気持ちだった。

「鮎子さん、それ気に入ったの?」

鮎子が手にしていたのは桃色に胸元に薔薇の花が並べられていたドレスだ。ドレスの裾の白いフリルがまた乙女心を誘う

「良かったら試着してみましょう。」



ほどなくして鮎子が薔ドレスを着て現れる。

「鮎子様とてもお似合いでございますわ。」

「素敵だわ。鮎子様」

リーズとサリーに連れられ鏡の前に立つ。

「これが私?」

リーズは自分でも驚いた。まるで目の前には少女雑誌に描かれている西洋の乙女がいるのかと思った。


「鮎子さん」

春子も試着室から現れる。春子は黒地に薔薇のドレスを着ている。パニエの膨らみは華やかだか裾の黒いレースが大人っぽくも上品だ。髪は纏めておりドレスと同じ薔薇のネックレスをつけている。学校で見る袴姿とは違って大人っぽい。

「春子さん素敵だわ。」


春子は2着ドレスを購入する。薔薇のドレスは自分に、桃色は鮎子に。

「春子さん悪いわ。それに」

鮎子の両親は厳格で洋装には肌を露出させると行って好感を持っていない。だから鮎子は家でも学校でも着物を着ている。

「心配しないで。私の家に置いておけばいいのよ。それで私の家でファッションショーすればいいわ。」

春子の誘いに同意した。

鮎子にとって洋装は生まれて初めてでまるで自分の知らない自分に会えた気持ちだった。

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