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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
大正カフェガール
39/146

リリカのデザイナー修行~後編~

久々にあの子が日本に帰ってきます。

「ごめん下さい。」

リーズは来客の声を聞くと店頭へと足を運ぶ。

「ごきげんよう、お久しぶりですわ。マダム。」  

「お久しぶりでございますわ。春子様」


 来店したのは春子であった。髪は肩にかかるくらいの丈で緑色のクリノリンスタイルのドレスを着ている。すっかりイギリスのレディた。春子は2年前にイギリスで挙式。夫のかなめと共にイギリスに住んでいたのだがつい最近かなめが留学を終え日本に戻ってきたのだ。今は2人で日比谷のマンションに夫婦で使用人数名と共に住んでいるという。


 リーズと春子が世間話に花を咲かせていると奥からリリカと花がやってくる。

「失礼致しますマダム。」

春子はリリカと花に気づく。

「リリカさん、お久しぶりね。」

「お久しぶりですわ。春子様。」

「リリカさんそちらの方は?新人さん?」

春子は視線を花へと向ける。

「こちらは花さん、家は喫茶店をしていてウェイトレスの洋装のデザインをお願いされたの。」

リリカは春子への挨拶も早々にリーズに視線を向ける。

「あのマダム、デザイン画が完成しました。見て頂けますか?」

「分かったわ。」

先ほど奥で花と完成させたデザイン画を提出する。


しかしリリカと花の期待とは裏腹にリーズの表示は次第に険しくなっていった。

「リリカ、これではダメね。」

「あのマダム、何がいけないのでしょうか?」

「そうですよ。リリカお姉様の描いたドレス可愛いじゃないですか。私こんな服着て店頭に立ってみたいと思ってたんです。」

花もリリカを応戦する。


「そうね、ドレスとしてのデザイン自体は悪くはないわ。だけどね、宮殿の貴婦人が着るドレスとカフェのウェイトレスの洋服は全くの別物よ。分かるわよね?」


厳しい指摘である。

花がそれに対して異議を唱えた。

「勿論分かります。でも可愛い方がお客様や私達ウェイトレスだって嬉しいはずです。」

「花様、ウェイトレスの仕事は可愛いだけで成り立つかしら?とにかくこのままでは使えないわ。」



「あの」

そこに春子が声をあげる。

「宜しければそのデザイン画見せて頂けますか?」

春子はリーズからデザイン画を渡される。そこに白地にピンクの花模様が描かれたドレスだった。胸元には可愛らしくピンクのリボンがついている。靴は同じくピンクのハイヒールだ。

「マダム、このドレスを生地におこす事ってできますか?」

「ええ、2日あればできるわ。」

「ねえ、こういうのはどうかしら?」

春子が思わぬ提案をしてきた。それはデザイン画のドレスを花が着てリリカと一緒に街を散策するとうものだ。

「実際に着てみれば何がだめが分かると思うわ。」

「それってリリカお姉様とランデブーってことですよね?賛成です。」

花は乗り気だった。

リーズもその案に賛成してくれた。

「でも花様、リリカ、これは遊びじゃないのよ。分かってるわね。」

「ウィ。」


リリカと花の返事が高らかに店内に響きわたった。

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