パリに咲いた恋~後編~
久々の投稿てす。
ダンスの時間が終わるとカルムはリーズを庭へと案内してくれた。
色とりどりの薔薇の花が咲き誇る庭だ。ここは代々
ルバンヌ家が王族を招いてお茶会をしているのだ。
「さあ、こちらへ」
リーズはカルムに手招きをされテラスへと向かう。
「君にこれを」
薔薇の花を2輪わたす。1つはリーズの髪に翳す。
「もう1つ君の友達に。」
「友達ですか?」
リーズは始めなんのことだか分からなかった。
「こないだオペラ座で一緒にいた友達だよ。」
(フローラのことだわ。)
「ありがとうございます。フローラもきっとお喜びになるわ。」
「感謝しているのはこちらですよ。彼女のおかげで新しいアイデアが浮かびました。」
カルムは小説を執筆していて自費で出版している。
「どんな物語をお書きになるのですか?」
タイトルを聞くとそれはリーズも読んだことのあるラブロマンスの名作であった。
「カルム様は貴族のご子息であり有名作家なのですね。」
「大したことないよ。次の作品は君の友達をモデルにしようと思っているんだ。」
次の話はフランス人形の少女が人間の王子に恋をし、流れ星に願い事をして人間の少女にしてもらうというラブロマンスにファンタジーを取り入れた物語だという。
「素敵だわ。出来上がったら真っ先に是非わたくしとフローラに見せて下さるかしら?」
「勿論です。出来上がったらすぐに君のお屋敷に行くよ。」
「お嬢様、こちらでしたのね。探しましたよ。」
そこに現れたのは侍女のナタリィだった。
「ごめんなさい心配かけて。今こちらの方とお話していたのよ。」
ナタリィはカルムにカウテシィー式のお辞儀をする。
「今夜は楽しかったわ。ありがとう。ごきげんよう。」
リーズはナタリィと共に庭を後にした。
馬車がお屋敷に着いたのは夜も遅く日付も変わっていた頃だった。リーズは今夜のことを思い出すと眠れずフローラに舞踏会での出来事を話して聞かせた。
「素敵な王子様と一緒に踊ったり、お庭でお話したのよ。それからこれ。」
リーズはフローラのブローチを外し代わりにカルムからもらった薔薇の花を胸元につける。
「王子様からのプレゼントよ。あの方は小説もお書きになるの。今度は貴女をモデルにした作品を書いているそうよ。完成したら真っ先に見せてくれるとお約束してくださったわ。」
その夜はフローラと一緒に眠りについた。
その後リーズは今か今かとばかりにカルムが完成した小説を持って屋敷を訪れるのを待っていた。しかし3日、5日、1週間、3週間どれほど待ってもカルムは訪れることはなかった。
「お嬢様、カルム様は今執筆してる最中ですよ。より良い作品を作るには時間を要すると言いますし。」
ナタリィが慰めるが、リーズは落ちつかない様子を隠せない。
その時来客を告げるベルの音がした。
「きっとカルム様だわ。ナタリィ出て。」
ナタリィは玄関へと向かう。
リーズの過去次回が最終章です。




