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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝劇の乙女
22/146

壊された宝物

 その日リーズの店には訪問者があった。

「マダム、お客様です。」

「今行くわ。」

サリーの呼び掛けに応じ店頭へと出ていくリーズ。 

「ごきげんようマダム」

訪問者は春子であった。結婚式のウェディングドレスのデザイン画が出来上がったと聞いてやってきたのだ。

「いらっしゃいませ春子様。お待ちしておりましたわ。」

リーズは春子に席を進める。

「春子様、ウェディングドレスこちらはどうでしょうか?」

リーズはデザイン画を見せる。それは純白で胸元には白い薔薇、裾にはフリルのついたわっかのドレスであった。ベールにはティアラがついていてその脇には白百合の花が付属されている。

「イメージ通りだわ。マダム。」

春子は結婚式は帝国ホテルで行う予定だ。

「夢だったんです。お城のような大広間で挙式するの。」

そこに来客を告げるドアのベルの音がした。

「いらっしゃいませ」

サリーが来客を出迎える。

「やあ、サリー。」

来客は鮎子であった。

「鮎子さん!?」

春子が気づく。

「春子さん!!ここに来れば君に会えると思って。」

「鮎子さんいつ日本に?」

「1週間前さ。蘭子の兄妹に会いに来たのさ。」

久々の再会に喜ぶ二人。

「あら、今日は蘭子ちゃんは一緒じゃないの?」

蘭子は今日は桜子のオーディションの手伝いに行っている。

「桜子さんって帝劇の峰山桜子さんって方?」

「そうだよ。今度フランス革命を舞台にした作品をやるみたいでヒロインオーディションだって言ってた。」

春子はしばらく考えこみ思いがけない提案をする。

「今から見に行かない?オーディション」

春子の父は帝劇のパトロンの1人であり春子も多少顔が効くのだ。

鮎子はその提案にのることにした。





劇場の楽屋口から入ると守衛はあっさり入れてくれた。

春子が客席に案内しようとした時楽屋の方から叫び声が聞こえてきた。

「ちょっと月子さん!!どういうことですか?自分がやったこと分かってるんですか?」

「何よ。言いがかりはやめてくれる?!」

春子と鮎子が向かうと楽屋で月子とほのかが揉めていた。その傍らには桜子と蘭子がいる。

「蘭子。一体何があったのだ?」

鮎子が蘭子に声をかける。

 蘭子の話によると朝楽屋に来たら桜子がオーディションで着る予定だったドレスが破られて胸のコサージュも取れていた。二人で選んだリボンもハサミで切られていて原型は跡形もなくなったのだ。

「そんなひどいこと誰が?」

「そんなの決まってるでしょ。」

鮎子の問いにほのかが声をあげる。

ほのかの視線は月子に向けられていた。

「いい加減にしてくれる?大体私がやったって証拠があるの?ほら出しなさいよ証拠!!ほら」

月子はほのかに手のひらを差し出すがほのかは無言のままだ。

「貴女証拠もないのに先輩疑うなんて信じられないわ。ああ馬鹿らしい。貴女方の言いがかりに付き合ってられないわ、!!着替えるから扉閉めて。」

そう言って楽屋の中に戻ってしまった。

桜子に残されたのは破れたドレスとリボンだけだった。

「蘭子さん。」

桜子がドレスとリボンを拾い上げながら口を開く。

「私ヒロインオーディション辞退するわ。今日はせっかく来てくれたのにごめんなさい。」

桜子は立ち上がり帰ろうとする。


「待って下さい!!本当にそれでいいのですか?」


声を挙げたのは蘭子だった。

「ずっと夢だっだんですよね?ヒロインになること。お母様だって望んでたんじゃないですか?簡単に諦めていいのですか?」


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