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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝劇の乙女
18/146

悪役に堕ちた少女~前半~

桜子のライバル月子の過去行きます。


 月子は九州の田舎の村で生まれた。本当の名前は妙という。父は炭坑で働き、母は針仕事で家族は生計を立てていた。兄弟は5人兄弟で月子は2番目。上に兄がいてすぐ下は妹、そしてさらに下に弟が2人いた。そして祖母も同居し大家族で長屋に住んでいた。

 妙は地元の小学校に通っていた。妙は決して活発な生活ではなかった。級友達が外でかけっこをしている間1人絵を描いているそんな子だった。妙は少女雑誌に載っているような女の子の絵を描くのが好きだった。晴れ着を着た少女の絵、ドレス姿にティアラを付けたヨーロッパの令嬢の絵、雑誌のありとあらゆる少女の絵を真似して描いていた。

 ある日同じ級の女の子が話しかけてきた。

「妙ちゃん、一緒に外行こう。」

その子は「あき」と言って男の子に混ざって外で鬼ごっこべいごまをして遊んでる子だ。

「私はいい、外で遊ぶより絵描いてる方が好きだから。」

「妙ちゃんいつも何描いてるの?」

妙はあきにノートブックを見せる。

「この絵おかしくない?」

返ってきたのは予想もしない答えだった。

「おかしいってどうして?」

「だってこんなに目が大きい子なんていないし着てる物も変。」

「これはドレスって言って西洋の国では女の子が着るのよ。少女雑誌にだって載ってるよ!!ほら!!」

妙は級友達に雑誌を見せる。しかし級友達の反応は妙とは違ったものだった。

「ねえ妙ちゃん、絵なんて作り物じゃん。それにここは日本だよ。日本にこんな格好してる人いたら変だよ。それにこんな格好じゃかけっこもできないよ。」



(どうして分かってくれないのだろう?こんなに可愛いのに) 

 

「分かってくれないならもういい!!」

妙は気づいたらあきから雑誌を取り上げ突き飛ばしていた。

「妙ちゃん酷いよ」

「妙、あきに謝れよ。」

級友達の非難の声も耳に入らず1人教室を後にした。



 幸いあきは軽傷ですんだが今日の出来事は担任教師を妙の母に知られることになった。

「どうしてそんなことをしたの?!お友達に意地悪しちゃいけないっていつも言ってるでしょ!!」

「だってあきちゃんが私の絵変って言ったんだよ!!それに雑誌に載ってる女の子のことも!!こんなドレスなんて着てたらおかしいって。」

妙は自分の言い分は正しい。だから母も分かってくれると思った。しかし

「妙、そんな物ばかり見て絵ばかり描いてるから友達にからかわれるんだよ。もっと皆と遊んだらどうななの?!」

結局母も皆と一緒。自分の気持ちなんて分かってくれないのだ。

「嫌だ!!私は友達なんて要らない!!可愛いお洋服だけ着てればいい!!どうして分かってくれないの?」

「お洋服なんて東京じゃないと売ってないでしょ!!我が儘ばかり言ってはいけません!!」

「もういい!!」

母が止めるのも聞かず妙は部屋に戻っていった。


この村の人達はどうして外の世界にある華やかな物を見ようとしないのだろう?妙は思った。



(ここにいても私のほしい物は手に入らない。私の居場所はここじゃない。)

長くなりそうなので前編後編分けます。

前編では月子の幼少期に触れましたが後編は上京後の話です。

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