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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
帝劇の乙女
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悪役女優の野望

すごく久々の投稿です。

 桜子と蘭子の稽古に割り込んできたのは月子であった。

「あら桜子ちゃん、まさか芝居のお稽古?偉いわね。まだ役も決まってないのに。」

「役はオーディションで決まるのでその練習です。月子さんこそどうしたのですか?」

「私?私は脚本家の石井先生とお食事。高級ホテルのフレンチをご馳走してくださるそうなの。私先生のお気に入りだから、ふふ、」

月子は自慢気に話す。

「あの、」

「あら誰あなた?」

月子は声をかけた蘭子に気づく。

「この娘は蘭子ちゃんって言って私がよく行くブティックのお客さんなんです。女優志望って言うから台本読みに付き合ってもらってるんです。」

桜子が説明する。

「まあ、そうなの」

月子の視線が蘭子に向けられる。

「貴女はどこの劇団?」

「私はまだどこにも。」

「やっぱり。そうだと思ったわ。だって貴女の読み、ずっと聞こえてたけど聞くに絶えないわ。感情もないし、棒読みだし。そんな格好してマリーアントワネットにでもなったつもり?でも貴女方素人同士お似合いよ。」

「ちょっと月子さん言い過ぎじゃないですか?」

桜子が止めに入る。

「あら、だって本当のことじゃない。桜子ちゃんもこんな子相手に練習してるなんてオーディションも結果は見えたも同然だわ。じゃあ失礼するわ。」

月子は言い放つと去って行った。



「蘭子ちゃん、せっかく練習付き合ってもらったのにごめんなさい。」

「いえ、私は大丈夫です。それに私はともかく桜子さんは素人じゃありません。さっきの読み素敵でした。」

「ありがとう蘭子ちゃん」


「蘭子、そこにいたのか。」

「鮎子様!!」

なかなか戻って来ない蘭子を心配して鮎子が迎えに来てくれたのだ。

「どうだったか?芝居の練習は、」

蘭子は今あった出来事を話す。桜子が台本を開くとパリの乙女ロザリーへと変貌したこと、そして月子のこと。

「鮎子様、あの人本当に信じられません!!桜子さんあんなに素晴らしい演技をするのに。」

「蘭子、気持ちは分かるがどの世界にも嫉妬心が強い人っているものだよ。」

そんな物なのか?蘭子には女優の世界を少し垣間見て思った。確かに役を取り合う意味では皆ライバル。だけど相手を悪く言って何の意味があるのだろうか?

「桜子さん、絶対オーディション受かって下さいね。」

「ええ勿論よ。フランスの舞踏会なんてずっと私がやりたかった話ですもの。役が取れたら蘭子ちゃんに鮎子ちゃん、2人とも席を用意するわ。」

桜子はそこで2人と別れ寮へと戻った。





鮎子と蘭子が夕食のためレストランへと向かった。そのレストランにはすでに月子とスーツ姿の男性が1人。帝国劇場の専属脚本家の石井先生である。

「ねえ、先生。」

甘えたような声で月子が呼び掛ける。

「何だい?」

「次回作、私を主役にしてくださるって約束よね?」

「さあ、どうだろう。まだオーディションもこれからだしな。」

「はぐらかさないで!!私は今までずっと主役だったじゃない。あの娘が前作でカルメンで主役になるまでは。後から入ってきたくせに本当目障りだわ。」

「あまり怒らないでくれ。脚本家と言っても僕1人で決められるものではない。それにここでは人目につく。2人きりで話せるところに行かないか?」

そこに出されたのはホテルの鍵だった。

月子にはそれがどういうことかは分かっていた。だけどそんなことはどうでも良かった。

「ええ、いいですわよ。」

月子が答えると石井先生に肩を抱かれ部屋へと向かった。

なんか芸能界の裏側みたいになってきた。

次回は月子の過去の話にいきたいと思います。

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