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マダムリーズの帝都レフィーユコレクション  作者: 白百合三咲
男装の令嬢
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鮎子の決断

 鮎子はお蘭と共にしばらく春子の屋敷に身を寄せることになった。

「春子さん、本当にありがとう。」

「かまやしないわ。」

「でもどうしてあの遊郭って分かったんだ?」

 春子は以前東山公爵と舞踏会で何度か会ったことがある。年は父より少し上ぐらいに見えた。社交的で話術に秀でた人で社交界じゃ顔が効く人だった。父とも長い付き合いがあり投資話を持ちかけられたことがあったが興味がなかったため断ったという。

春子も一度公爵と話したことある。外国に興味はあるかと聞かれヨーロッパにと答えたことがある。華やかなお城のようなホテルがあるから今度家族で旅行に行くから一緒にどうだと誘われた。海外の貴族といい縁談話もあるかもしれないと言われたので春子は乗り気になっていた。

「東山公爵には私と年の近い娘もいたし、家族ぐるみで交流があったからお父様も賛成してくれると思ったわ。」

だが気分転換に庭へ出たとき公爵が見知らぬ男と話しているのを聞いてしまった。自分をギリシャの娼館に売ろうとしていることを。品川にある自分の遊郭の遊女と一緒に。

「その後はしっかりとお断りしたわ。」

「もし気づかなければ今頃、」

「そうね。私もきっとあの遊郭で売られた娘達と同じ目にあってたわ。でも良かったわ。お蘭ちゃんが無事で。」 

もしかしたら憲兵に密告してくれたのは春子だったのか?。

「それから葵楼の楼主と女将さん釈放されたわ。東山公爵の悪事を何も知らなかったみたいだったわ。」

鮎子は安堵した。 

「ねえ鮎子さんこれからどうするの?」

「僕はお蘭を連れてイギリスに行こうと思う。」

「イギリス?!」

春子は海外に行くと聞いて驚きを隠せずにいた。実は鮎子には母方の叔母がいる。夫が貿易会社をやっておりヨーロッパにも何度か訪れている。叔母は鮎子の両親とは正反対で西洋風な物を好んでいた。鮎子が遊びに行くとドレスを着せてくれたり、イギリスのお菓子をご馳走してくれたり、童話を読み聞かせてくれた。

困ったことがあったらいつでも言ってきなさいと言ってくれた優しい叔母だった。その叔母の息子、鮎子の従兄弟の家庭教師だったミス・ポートリーがロンドンにいるから彼女を頼ることになった。

「良かったわ。」

「ああ、それで今お蘭は英語の勉強中ってわけだ。」


「お嬢様~」


お蘭の泣き叫ぶ声が部屋から聞こえる。

「どうしたんだ?」

「お嬢様~ローマ字が全く分かりません。」  

「ねえ鮎子さん、」

春子が耳元で何か囁く。

「それいい案だな!!」



翌日、鮎子と春子はお蘭を連れてとある場所に向かった。

「お嬢様~前が見えません。」

お蘭は目に黒い布を覆われお蘭は鮎子の肩につかまりながら歩く。

春子がドアを開ける。

「いらっしゃいませ。」

そこで鮎子はお蘭の目を覆っていた布をとる。お蘭の目の前には華やかな光景が広がった。ドレスや宝石、ハイヒールの数々、自分の目の前には美しい貴婦人。

鮎子と春子が連れてきたのはマダムリーズのブティックだった。

次回はお蘭がイメチェンする番です。どんな素敵な女の子になるかな?

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