第74話「天災天滅」
悪魔風の男……デビルマンって名前でいいか? ってそれはダメだろう色々とマズいなたぶん。
悪魔野郎でいいかはさらに空中を漂っている。
「お前たちはいつも俺を虐めている……イジメは犯罪と言いつつ発覚を恐れて黙殺スル」
「だから?」
「だからオレは見捨てられたノダ……だからお前らたちに復讐するカラナ」
「そんな下らねえことを言うためにモンスター人間になったのか? というかなりたくてなったわけじゃないのか……」
「五月蠅い!!! シネ!!!!!」
また破壊光線を放ってきた。
俺はすんでのところ躱す。そのまま体をひねり反射的に剣を近場で出してやった。
「!?」
「どうした……? 近くで出せないと思ってたのか? そんなんじゃすぐに……死ぬぞ」
「!!!」
俺は剣に鋭いの字を因子に刻み込みこれを10回繰り返して一気に放った。
悪魔野郎の左手を切り落とした。
「さらにこれはどうだ……【魔懐】」
一瞬で悪魔野郎の胸が裂けた。特殊な言葉だ。魔の懐だから言遊の力でそのまま直接ダメージを与えられる。
「本末転倒」
悪魔野郎は盛大にすっころんで頭を打った。面白い奴だ。ちょっと言葉を選んだだけなのにな。
「撲天我」
空間にバットが一瞬で作り出されて悪魔を滅多打ちにする。
俺は縮地で距離を詰める。
体の重りを脱ぎ捨てて羽根のように敵に近づく、そのまま殺の字を拳に込める。
1発触発するように投げ捨てるようにぶん殴る。
殴る(殺しの力をほんの少し込めている)。
だが悪魔野郎は怯まない。少しだけ増強している。時間をかけないといけないのか……もういいか足ぐらい斬りおとすか?
俺は自分自身を悪魔野郎と同じぐらいに悪魔になっていたのかもしれない。
じゃあ滅ぼすか。
「天災天滅」
悪魔の姿が崩壊するように人間に戻っていく……ただし体がボロボロになっていた悪魔野郎は。
体中がボロボロの痩せほけた体になっていた。そのまま警察病院に連れていかれた。
俺は話を聞かれるのが嫌なので逃げた。
切り札を試したかったら使ってみたがヤバイな敵の状態を改悪して低下させて弱化させる最大の天戯だ。
俺が今使える中で余りにも強くて魔力の消費が多いものである。天戯はまだあるがあれは単個体強大な敵にはかなり優秀だ。広範囲ダメージ系はのちに登場するだろう。
凄く自分の中で進化した日だった。もっと頑張らないとな。
天災級のものを天滅させる天戯。