第68話「爽快な炭酸飲料は高圧的に小鬼を苦しませる」
しまった……俺はつい後で飲もうとしていたサイダーを落としてしまった。
ここは第二中級ダンジョンの23階層だ。
出現するモンスターはグレムリンという恐ろしいゴブリンよりは強い小鬼だ。
悪魔とも言えるか……だが俺は小鬼と呼んでいる。
グレムリンはゴブリンと違い武器を持たない。だが魔法力が高く闇魔法で攻撃してくる。
今回の相棒はライカとユメとリス子とセツナちゃんだ。
セツナちゃんの相棒のスライムがまた増えたように見える。
「だってスライム100体仲間にしたら何かが起こると思うからねえテンキ君もそう思わない?」
「いや……まあでもスライム専門のテイマーとは恐れ入ったな俺も楓を連れているが……そろそろ他のモンスターをテイムしたいし」
「なら2体目もスライムがおすすめだよテンキ君……スライムだよ摩訶不思議なスライムだよ最強になるよ絶対」
リス子がもじもじしている……どうした? トイレでも行きたいのか? と俺はリス子に尋ねてみた。
「テンキ君ってデリカシーってものがないのかな? もちろんトイレだよ!! というわけでその辺でしちゃいます見ないでね」
というわけで俺はリス子をトイレタイムで待たせている間にグレムリンと戦っていたわけだが……炭酸飲料を落としてしまった。という冒頭のシーンに戻るのだが……
グレムリンが炭酸飲料を破壊して飲もうとしているが……だが炭酸飲料をそのように乱暴に扱うとどうなるかわかってないようだグレムリンは……
暴発するサイダーはグレムリンの顔に甘い炭酸砂糖汁を浴びせてしまった。
そのすきに俺は天星剣でグレムリンを切り裂いた。爽快な気分だ。ぬるいけどな炭酸飲料を取られた復讐はぬかりない。
俺はもう一つの星魔導銃を作る練習をしていた。
強力な錬成ウェポンだ。魔力を消費して放つ銃だ。
作ることに成功した。良い出来だ。なかなかの作り込みだ。威力の調整も出来る。
普通に完ぺきな銃だ。
試しにグレムリンに向けて撃ってみた。すると一発で弾け飛んだ。最強のウェポンを手に入れてしまったか……中々にヤバい武器だ。取り扱いには気を付けよう。
俺はもう一本用意していたサイダーを飲み干して、23階層を優雅に進んだ。
「テンキ私には何も無いの?」
ユメが話しかけてきた。そういえばこいつ結構食いしん坊なんだよな……
俺はキャラメルを常時しているのでそれを上げた。
「キャラメルごときで私を買収できると思うか……もぐもぐもぐもぐ甘ぃ~」
安い少女だ……でもユメの力が無いとここまでこれなかった。
「私にも頂戴テンキ君~☆」
リス子もキャラメルを欲しがる。リスのように木の実でも食ってればいいのにと思うがと失礼なことを考えてしまう俺は性格が悪いだろうに……
「うまうまだね~キャラメル甘い~☆」
「ライカはいらないのか?」
「私は甘いものはそんなに好きじゃないかな……どっちかというと美味しいサンドイッチでも食べたい気分ね」
「じゃあ24階層まで行ったら美味しいサンドイッチの食べられる店を探すか」
「たまにはいい提案をするじゃないあんた」
ライカは俺の眼を見て褒めるように言う。少しだけ照れているこいつ可愛い奴め。
グレムリンたちしか出ないので葬っていく。
ドロップ品はグレムリンの水晶とかいう謎アイテム。
何に使うのかよくわからんが買取ショップに持って行くか。
さて24階層の階段を見つけたから外に出よう。
無事外に出た瞬間に地震が起きた。
かなりの揺れだったがすぐに収まった。
何だったんだ一体?
とにかくサンドイッチ屋を探すか……
俺たちはサンドイッチを食べるために歩を進めた。
凶魔がすぐそこまで迫ってきているとはつゆ知らずに。
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