小さな冒険者編1話「スライムガチャにハマる」
今日は大陽さんサンサン木漏れ日日和な暑い一日になりそう。
僕の名前はムルンなんだけどなんかムルンだと可愛い感じでなんか間抜けだからムルって名乗っているよ。
ムル。二文字だしムとルのバランスがいい感じだから、こっちのほうがよさげだな~
ムルのほうがカッコいいと思うんだ。
そんな僕なんだけど地球出身の地球生まれのスライムなんだ。
本当に地球で生まれて地球で育った。
親はいないんだけどね。勝手に育った感じだよ。
弱肉強食の世界だったよ。でも僕は並たいていのスライムじゃないから、猛獣とかに襲われても簡単に追い払っていけるから大丈夫だったよ。
まだ1歳半だけどたくましく生きているよ。
そんな僕なんだけど人間世界に溶け込むことに慣れてきたから普通にカフェでお茶というか牛乳を飲んでいるけど人間形態でね。
スライム全てにあるわけじゃないけど僕は擬態という能力を生まれつき持っていて、生物に化けることができるんだってわけなんだよ。
でもむずかしいものには化けられないよ。
例えば昆虫とか、人間の場合だと複雑な形の形態の人間とかね。
でも普通の人間には化けられるから意外と簡単に色々な場所に潜り込めちゃうんだ。
だからカフェとかカラオケとかで歌ったり、漫画喫茶とかでマンガを読みふけって寝ちゃうんだとかはよくある話だよ。
アニメとかを見たい場合映画館とかレンタルビデオ屋に行ってDVDを借りてネカフェとかで再生するとかして見たりするよ。
お金の入手方法はって? それは秘密と言いたいところだけど、特別に教えてあげるよ。
パチンコとかスロットとかゲーセンとかで景品を取って売るとかだよ。
他にも不用品を回収して売ったりしてるけどあんまし儲からないよ。
それ以外だと道端で人間に化けてお金を恵んでもらう職業になったりしてるよ。
主に手品師とかギタリストとか大道芸人とか絵描きとかね
あっと占い師とかにも化けたことがあるよ。
でも本当に占わないで未来視で相手の未来を見てずばりずばりと当ててから本当に起きそうなことを言い当てると信じちゃうけどね。
まあそんなことをしていたらお金はたまる一方なので、さっそくあれに使おうかと考えちゃうんだよ。
あれを見つけたのは昼下がりの一瞬の状態でふと目に入ったんだ本当にふとね。
ガチャっガチャっとカプセルを手にしている子供を見て、あれなんだろうなと思った。
あれはいったいなんだろうと考えたんだ。
で試しに自分もしてみることにしたんだ。
そして感動したよ。
こんなものがこの世界にはまだあったんだということに。
ガチャポンって言うのかなたぶん。一回100円とか高いのだと300円とかで1回回せるのがこれなんだよ。
こんな子供だましなんてと思ったんだ。
まあ僕も子どもなんだけどねまだ1歳半だし。
そんな奇跡の産物であるガチャポンに僕はのめり込んでしまった。
ああもっとガチャがひきたい。ガチャを回したい。神様どうか僕にもっとガチャをさせてくださいと願ったんだ。お空に向かってね。
すると謎の声が脳内に聞こえたんだ。
『ユニークスキル ガチャポン を習得しました。 使用しますか?』
へっ? あれなにこれ……どういうことなの? ユニークスキルってなに? ガチャポンってもしかしてあのこどもがやってたやつなの?
まさか僕がスキルをなにもしていないのに習得してしまうなんてそんなことがあるのかと思ってしまった。
だから疑問に思う前に使ってみることにしたよ。
ガチャポンしたい。
天からガチャポンが降ってきた。
そしておもむろにスイッチがある。
どうやら点滅しているようだから押せってことなのかな?
とりあえず押すことにした。
そして案の定カプセルが出てきてそのカプセルを開けてみたら。
なにかが僕の粘着液のようなドロドロでないポヨポヨの体に吸い込まれていった。
そして頭の中で『スキル 鑑定 を習得しました。説明を表示しますか?』と言われた。
意識せずに説明を求める。
すると鑑定とは相手の性質を見抜くことができる能力だということがわかった。
いうなればどんな状態なのかを本質的に推察することができる能力と言うようだ。
推察というよりデータ分析と言った方がわかりやすいかな?
まあそんな能力のようだ。
僕はそんなことはいいからガチャポンをさらに回したくなった。
だけど機械のボタンをなんども押してもうんともすんとも言わない。
どうしたらと思ったらガチャポンの説明が脳内に表示された。
ユニークスキル ガチャポン
効果説明……一日一回ガチャポンを回せる。もう一度回すにはモンスターからとれる魔石を穴に入れるともう一度だけ回せる。さらにもう一度回すには魔石を2つ穴に入れる必要がある。回す回数が増えるたびに魔石の投入量が1つずつ増える。一日最大でも20回までしか回せない。レベルを上げると回せる回数が増える。
なるほどなるほど……小学生いや幼稚園児でもわかりやすい説明文だね。
そんなガチャポンの仕様を理解した僕はさっそくモンスターの魔石を手に入れるためにダンジョンに向かった。
たしかあそこに1階層だけあるダンジョンがあったはず。
僕は先を急いだ。