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異世界キャバクラ   作者: ゴーストライターK
8/24

サキュバスVSエルフ4 仁義なき戦い3(全6)

拮抗する接待合戦。エルフも、サキュバスも健闘するが、サキュバスがヒロにアドバイスを求めに来る。

ヒロは……

「キャバクラ『エデン』、開店です」


 門番のリザードマンが、大きな両開きの扉を押し開いた。

 すると、外にはすでに黒山の人だかりができていた。


「おお、やっとだぞ」

「待ちわびたぜ」


いやいや時間通りの開店だろ。つってもしゃーねーか。

はっきり言って、ここエデンは、かなり売れてる人気のキャバクラだ。

人気の嬢は数週間先まで指名予約でいっぱい。

何かしらの記念日には事前にオークションにかけられて、指名料が何十倍にまで跳ね上がったりもするわけで……。

 まあ、これは店の力っていうよりは嬢の実力だよ。嬢にもよるが一人あたり、一日で何百万も稼ぐんだ。

店全体ではヘタすると億いっちゃうよ億。

 管理するこっちとしては、彼女らの機嫌を損ねて余所に逃げられちまうのが怖いわけだ。

まあ、みんな、この店が好きだって言ってくれてるけどな。

「店長、ドンペリ空きました!」

 ボーイが報告してきた。

「こっちは最高級のバーボンです!」

 さらにもう一人。

 おいおい、ペース速くないか。

いやめっちゃ早いよな、これ。

原因はやっぱりアレかね。勝負が白熱してるのかね。

あんまお客さんに無理させちゃいけないよ。

ってもうベロンベロンに酔ってる人もいるじゃねえか。

おいサキュバス、それとエルフ。おまえら人間をなんだと思ってんだ。養分かっての。

 店の壁には、サキュバス族の売上の棒グラフと、エルフ族の売上の棒グラフが張り出されていた。

「っていうかいつ作ったんだ、あんなん」

「気づいたら張られたわよ」

 つけ回しのエレナが肩を竦めた。

やれやれってか。こっちがやれやれだわ。

 店内はいつもとは明らかに異なる、異様な熱気を孕んでたってね。

「お客さん、サキュバスの栄光のためにもう一杯! 頑張ってくれたら……たーくさん、サービスしちゃうぞ? え、アフターも? うーん、どうしよっかなぁ。あと一本ドンペリ開けてくれたら、考えちゃうかもぉ?」

「お客様、あんな下品な連中のほうは見てはいけませんって。あんなにバカスカ呑んで、食べてと……醜悪の極みでございましょう? あれにつられてこちらまで品を失ってはいきゃんせん。わっちらはもっとゆっくり、上品に、優雅にお酒を楽しみましょう? さあ、こちらが、最高級のバーボンでございますきに」

 どっちもえげつねえことやってんなあ……。

バカ高いフルーツの盛り合わせとか、本格キャビアとかも、ばんばん頼まれてんじゃねえか。

 まあ、こっちの物価は日本の五分の一だから、あれだけ呑んで食っても財布に優しいんだけどよ……。

 ってそれでもこんなにペースが速かったら、お店は戦場みたいな有様だ。店長の俺まで皿洗いを手伝わなきゃいけない。

やれやれだ。洗剤で手の肌が荒れちまうわな、って乙女みたいなこと思っちまったじゃねえかよ。

 さて棒グラフを確認してみるか。

 うーん……。

 互角だな。

 いい勝負だ。

 サキュバス族も、エルフ族も、普段の数倍の売上を記録している。

もうこれ両方とも勝ちにしてやりたいよな、店長としてはよ。

誇らしいよ、はっきり言ってよ。

 だけど、二人は納得していないようだ。

 まずアンナが駆け寄ってきた。

「てんちょー! このままじゃ勝てないし! あーし、エルフをコテンパンにしてやりたいのに、このままじゃギリショーにしかなんないし!」

 ギリショーってなんだ。ああギリギリ勝利か。

どっちにしろ勝つとしか思ってないんかよ。

勝利を確信とか、すげー自信だな。

ナンバーワンゆえの恐怖とかもあるだろうによ。

内心では、思ったより焦ってんのかもしれねえけどね。

「なんか秘訣教えて! あるんでしょ店長なら! 勝利できる秘訣が!」

 ずいぶん都合のいいこと聞かれてんな。

 まあいいか。

「あるぜ。勝てる方法」

「ほんと?」


ヒロのアドバイスを受けたサキュバス。勝負はさらに加速していく

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