キャバクラ2.0
平凡なサラリーマンのヒロ(21)は異世界キャバクラの世界に夢中。
セリカという美少女ハーフエルフと付き合うことに……
キャバクラは金のある、おっさんの行くところ……。
昔の僕はそう思っていた。
けれど、今は違う。
キャバクラは若者から老人まで親しまれるものになりつつある。
今風に言うならキャバクラ2.0というところか……。
その変化が起こったのは異世界と地下鉄で行き来できるようになった3年前からだ。
ところで、僕は異世界のキャバ嬢と付き合っている。
名前はセリア。
ハーフエルフの彼女だ。彼女は金色の美しい長髪と宝石のような澄んだ青い瞳をしている。
じっと見ていると美しさで天国に引き込まれてしまうようだ。
豊かな胸とは対照的な女性的なくびれを僕はとても気に入っていた。
セリアを見ているだけで癒される……活力がわいてくる。その活力だけで肉体労働も苦にならないほどだ。
そして、今日も仕事を終え、都営地下鉄に乗り込む。この地下鉄は異世界の帝都プラザにつながっていて
新宿からわずか15分で異世界に行くことが出来る。
僕は帝都プラザに着くと、軽やかに改札を出て彼女を探す。
「ヒロお疲れ様」
振り向くと、白のフリルのワンピースをきたセリアが笑顔で迎えてくれた。
体は疲れていたけれど、彼女の笑顔で、その疲れも解けていくようだった。
「じゃあ、夕食にしようか。」
「うん」
僕とセリカは日本人と異世界人でごった返す改札を後にした
非正規雇用が今年度増加
男性の4人に一人が生涯独身
アルバイト先の書店に向かう途中。そんなニュースを思い出していた。
大学を卒業してから近所でフリーター生活。今年で35歳。同級生は結婚して子供もいる。
俺は人生の敗者になったらしかった。
書店についてからタイムカードをいつものように切る。
「おい田中」
背中をついてきたのは佐藤だった。彼は俺と同年代で37歳。所謂負け組30代だった。
けれど、彼は明るい。パチンコでもあたったんだろうか。
俺たちは9時から12時まで働き、休憩をとった。
俺は違和感に気が付く
「佐藤、お前弁当つくってるの?」
「まさか、彼女が作ってくれたんだよ」
耳を疑った。
「彼女??」
「そう、サキュバスの子と付き合ってるんだって、ほら。」
彼の差し出すスマホには佐藤と金髪で色黒のギャルっぽい女の子が映っていた。
佐藤の部屋は築45年のぼろい2DKのアパートだ。
「かわいいだろ?」
「ああ、いつから付き合ってるの?」
「んー今年にはいってからかな。異世界キャバクラのキャバ嬢だよ。」
そういえば、異世界キャバクラにいってるとか言ってたな。
「仕事終わったら一緒に行くか??」
「ああ行きたい。」
午後の仕事はあっという間に終わった。
皆様の高評価にスタッフ一同感謝しております。
これからも異世界キャバクラをお楽しみ下さい 店長ヒロ