目覚め
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目が覚めると知らない天井が見えた。体を起こし辺りを見回すと、ここが誰かのお宅の一室であることがわかった。何となく状況が掴めてきた。
この家の家主を探すべく、ドアの方に向かって歩く。テーブルの上に、白黒の1枚の写真が入った写真立てが置いてあった。この家の人達だろうか。父親と母親に囲まれ、1人の女の子が椅子に座っている。いい笑顔だ。
「起きたのね。よかったわ」
ドアを開けて1人の女性が部屋に入ってきた。写真に写っていた女性だ。母親だろう。
「お陰様で。俺に一体何があったんですか」
母親はそんな俺を見て、可哀想だと言わんばかりの表情をし、丁寧に事の経緯を説明してくれた。
「つまり、俺は町外れの巨木の下で倒れていたと?」
「ええ、だから誰かに襲われて気を失っているのかと思ったていたわ。まさか記憶が無いなんて」
この世界の、記憶が無いという意味だが、そんなこと説明しても意味は無いだろう。
部屋をでると、目の前にもう1つ部屋があった。
「娘の部屋よ。朝に弱いからまだ寝かせといたあげてね」
廊下の窓から外を見ると、太陽が登り始めているのが見えた。
階段を降り、1階にで朝食を作ってもらった。ご飯に焼き魚、味噌汁、たくわん。に、見えた。
朝食をとると、母親、カエラさんと言うらしい。カエラさんに外を見てきたいと相談し、少しだけ辺りを見て回ることにした。カエラさんは記憶がもどるまでいればいいと言ってくれたが、そうはいかない。独り立ちをするために、まずは少しでもこの世界について知る必要があった。
家から出ると、すぐさま綺麗な街並みが広がっていた。