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依頼を受けました

スマホからの投稿です


ブクマありがとうございます。

18/7/19改稿

主人公の名前を少し変更

「お待たせ!はい、これが組合証ギルドカードだよ!」



暫くして、受付へと戻ってきたアンナが一枚のカードを差し出してきた。

でかでかと”ギンジ・イチノセ”と名前が書かれていて、左上の方に小さく”組合証ギルドカード”との表記がある。


アンナの説明によれば、カードに微弱な魔力を流す事によって”能力ステータス”と紐付ける事が出来る様になるらしい。

それによって、魔獣の討伐数が記録されたり”身分証”の代わりにもなるそうだ。

犯罪行為を行った場合は、賞罰欄を読み取ってカードの文字が消えてしまうので直ぐにバレるらしい。

不正利用防止の為、最初に魔力を流した人以外が持った時もカードの文字が消えて読め無くなるので安心していいとの事。



「魔獣討伐の時は、組合証ギルドカードを”収納”してても大丈夫。身体に刻まれた経験を、取り出した時に読み取る仕組みだから」

「…つまり、基本的には収納していても構わないと」

「うん、そうだね。でも、あまり討伐をしない人は身に着けておく人が多いかな。わざわざ”身分証明”を使わなくても良くなるのは、魔力の少ない人には利点らしいよ」

「…なるほど」



激しく動き回らなければいけない討伐依頼の場合、身に着けていれば破損や紛失の恐れがあり”収納”しておく方が安全だろう。

しかし…雑用依頼や採取依頼等の比較的安全な場合、身に着けて見える様にしておいた方が利点が多い。



「まぁ、ギンジさん程の強さが有るなら討伐が主になるから”収納”しておくべきだよねー」

「………」



組合ギルドに持ち込まれる依頼クエストには、街の清掃や薬草の採取と言った簡単な依頼クエスト以外にも、盗賊や犯罪者等の賞金首を捕まえる依頼クエストや、魔獣などの害獣を退治する討伐依頼クエスト等がある。

組合員の能力やスキルに応じて、組合ギルド側から斡旋してくれるのだが、実際に魔動車強盗を取り押さえた実績のあるギンジには、最低でも捕縛依頼からのスタートを見越しているアンナ。

暫く稼いで剣や槍などを購入すれば、魔獣の退治依頼だってこなせる様になるだろう、とも思っている。



「あっ!あと、さっき言った様に”専属契約”にしておいたから」

「…専属?」



専属契約とは、組合員と職員の双方の希望が有れば、一人の組合員に対して常に同じ職員が対応してくれるようになる物だ。

組合員の利点としては、自分の力量を正確に理解してる人間が依頼クエストを斡旋してくれると言う安心感や、依頼クエストがやりやすい様に有益な助言を貰えたりの手厚い補助が受けられる。

職員側の利点としては、契約した組合員の報酬がそのまま組合ギルドへの貢献点となる事。

それにより昇給や賞与などに影響が出て来るのだから職員も必死に組合員の補助を行う。


逆に欠点は、組合員の失点も職員に責任となる事だろうか。

例えば依頼クエストの失敗で違約金などが発生すれば、その半分を職員が払わなければならない。

組合員が犯罪等を犯し、賞金首となってしまった場合等は組合ギルドでの将来は閉ざされてしまうだろう。


それに対して、組合員側には欠点らしき欠点は無い。


だからこそ、職員側が”この人は”と思った人物でも無ければ”専属契約”なんて結んだりしない。



「…とまぁ、色々な利点は有るけどギンジさんにとっちゃ”色んな人と関わらないで済む”って言うのが一番の利点じゃ無いかな?」



などと言って明るく笑うアンナ。

その説明を聞いたギンジは、途端に表情を曇らせる。


組合員の報酬がそのまま職員に評価となる、と言うことは”大金を稼ぐ”組合員と専属契約を結ぶ方が職員にとっては得となると言う事だ。

裏を返せば”少額しか稼がない”組合員と専属契約を結んでしまうのは、職員にとっては損なのだ。



「…すまない」

「ん?何が?」



自分の体術を見込んで高額な依頼クエストを斡旋しようとしたのだろう?と、思ったギンジは再度”身分証明”を見せる。

何も無ければ話すつもりは無かった。

しかし、ある意味運命共同体とも言える契約者に対して、自分の能力を偽る訳にはいかない。

そう思い、今度は全ての”能力”を提示した。



「き、気力が250?!今登録してる人の中でも、かなりの上位に入るよ!筋力と器用も高いし…流石は体術の……あ、あれ?スキルが」



興奮した様子のアンナに釣られたのか、隣にいるレベッカが少し身を乗り出して覗きこんできた。

ガンツも後ろを通りながらチラチラと見ている。



「さ、採取…?!」



何度も目を擦り、ギンジの”身分証明”を見直すアンナ。

だが、そこに書かれている【採取】の文字が消えたり変化する事は無い。



「う、嘘…信じられない、ギンジさん程の…」

「…済まない【体術】のスキルは発現しなかった、しばらくは採取の依頼クエストしか受ける事が出来ないだろう」



呆けた様子のアンナに謝罪し、ギンジは”身分証明”を引っ込めた。

期待に応えられず申し訳無かった、と言う気持ちも有るが、一番辛いのは自分なのだから勘弁してくれとも思う。



「…と言う訳で、何か採取関係の依頼クエストは無いだろうか?」

「…え?あ、はい。採取依頼ですと…」



ギンジが声を掛けて、やっと正気を取り戻したアンナ。

すぐさまカウンター下から書類の束を取り出すと、何枚かの紙を選びギンジへと手渡す。



「…薬草採取に毒草採取、それに茸か。じゃあ行ってくる」



居心地が悪くなったからか、紙を受け取ると直ぐに組合ギルドから出ようとするギンジ。



「…あ!それらの依頼クエストは期限が無いので焦らずとも良いですよ!!」



ギンジが建物から出る直前、アンナはギンジの背中に向けて言い忘れていた事を伝える。

それを振り返りもせずに、片手をあげてヒラヒラと振るとそのまま建物から出ていった。

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