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スキルを授かりました

スマホからの投稿です。


ブクマありがとうございます。

徐々にでもポイントが増えていくのを見ると、とても励みになります。


18/7/19改稿しました


主人公の名前を少し変更

成人の儀を受ける事によって得られる恩恵は、皆等しく【生活魔法】一つだけ。

ただ、一つと言っても様々な事が便利に行える様になる。


体調や身体値などが、目に見える様になる”能力ステータス”で自己管理は万全。

持ち物などを”収納ストレージ”しておけば、身軽になるし貴重品の盗難も防げる様になる。

建物等の位置が何となく分かる”地図マップ”のお陰で、方向感覚が狂わず迷子になる事も無い。

腹時計よりも正確な”時計ウォッチ”が有れば、大事な待ち合わせに遅れる心配も無い。

踏み台として使える”ボックス”は、出来上がった料理を囲むのに使えば埃が入る事もない。

わざわざ火打石を持ち運ばなくても”着火ファイア”で、どこでも簡単に火を起こせる。

街道補修にも使える”整地アース”は、上手く使えば農作業の効率も上がる。

喉が乾けば”飲水ウォーター”で潤して、手や身体の汚れは”浄化クリーン”で落とせる。

暑い日には”微風ウインド”で涼をとり、昼夜逆転の生活をしているならば”暗幕カーテン”で日の光を気にせず眠る事が出来るし”照明ライト”で夜間の読書もバッチリ。


この様に、人が生活していく上で有ると便利な魔法が使えるのだ。

それらが一組セットになった【生活魔法】何とお値段10万ウェン、これを安いとみるか高いと見るかはあなた次第です。



そして何よりも、目玉と言えるのが『経験や努力に応じて、能力に”スキル”が付与される様になる』事だろう。

生活魔法の力で経験値を能力に変換し、効率よく成長する事が出来る。


ならば『それまでの努力は全て無駄になってしまうのか?』と思われるかもしれないが、そういう訳では無い。

その者の身体(もしくは魂)に刻まれた経験値は、全て統一されて”最初のスキル”として発現する。


これを通称”祝福”と言う。


何かしらの武器で、日々鍛錬を行っていた者には【武術】が。

家業の店を手伝ったり、日々数字に触れる機会があったのなら【算術】が。

農作業をしていたなら【農術】が、馬や牛など家畜の世話をしていたなら【畜術】が。


今挙げたのはあくまで一部であり、この世界には多様なスキルが存在します。



神はいつも貴方を見ています、日々を清く正しく生きていれば必ず望んだスキルが身につくでしょう。



今すぐ祈りを捧げに神殿へ、場所はーーー



発行:王都新聞 提供:神殿



ーーーーーーーーーー



”紙”と呼ばれる薄い物に、様々な情報が書き込まれた”新聞”は大通りの掲示板に貼り付けられていた。

長い儀式の中、少年は途中で見かけたそれの内容を思い返す。


大体の内容は両親に聞いており、再確認のつもりで目を通しておいた新聞。

思い返すと言っても『お布施じゃなくてお値段とか言ってるけどいいのかな』とか、どうでもいい事が中心だが。


儀式の間は跪いて身じろぎ一つ取れない、少年はとにかく暇なのである。



「ーーー祝福を」



言葉とともに神父が、少年に向けて仰々しく手を翳す。

淡い光が少年を包み込むと、体内に何かが入り込んできた感覚がして少し呻き声が出る。



「お疲れ様です、以上で成人の儀は終了です」

「…ありがとうございました」



光が収まる頃に、神父から終了の合図がかかる。

跪き両手を組んだ祈りの姿勢から、漸く立ち上がる事が出来てホッと一息をつく。



「念のために、生活魔法が使える様になったか確認していかれてはどうですか?まぁ…今まで使えなかったと言う方はいませんが」



そう言って、何やら楽しそうに笑う神父。

何が面白いのか分からないが、荘厳な神殿に似つかわしく無い中々砕けた神父だ。


堅苦しいよりは良いけどさ、なんて思いながら早速”能力ステータス”を呼び出す少年。



ーーー

ギンジ・イチノセ 15歳 ♂ 状態:普通


称号

【新成人】


気力:250/250

魔力:49/50

筋力:150

体力:200

知力:50

器用:150


【特殊】

なし

【複合】

なし

【職業】

なし

【技術】

なし

【汎用】

採取 Ⅰ


賞罰:なし

ーーー



少年ことギンジは、自らの”能力”を見て固まった。



「おや、どうされましたかな?先程に娘から聞き及んでおりますが、何やら貴方はかなりの体術を使うとか。最低でも【体術】は間違い無いでしょうな、もしかしたら【体術家】まで行ってたりして。いや…その反応、まさか複合の【戦騎士】?!」



ギンジが返事を返さないせいで、何やら神父がヒートアップしている。


特殊と言うのは【国王】や【魔王】等の、世に一人しか授からないスキルなので除外。

つまり、事実上の最高位スキルと呼ばれる複合。

これは職業スキルを2つ覚えないと発現しないので、地道に覚えるには文字通り血反吐を吐く程の修練が必要だ。

しかも長い年月を要する為『覚えた頃にはもう晩年』なんて事もあり得る。

そもそもその前に、必ず身体のどこかを壊して死んでしまう可能性の方が多い。


だからこそ”祝福”で複合スキルを授かったならば、それはまさに神の祝福だ。

今までの歴史の中でも、10人にも満たない程の確率ではあるが。



「大変だ、直ぐに王城へと報告をせねば!」

「…あの!」



歴史的にも稀な複合スキル、それを持つ人物はいい意味でも悪い意味でも直ぐに話題になる。

余計な諍いをうまない為にも、迅速に国へ召し抱えて貰うのが最良である。

そう判断した神父は、バタバタと慌ただしく登城の準備を始めていた。

そこへギンジは、強めに静止の声をかける。



「…違うんです、実は…その…【採取】だったんです」



自分自身でも、てっきり【体術】を授かるものと思っていたギン。

その期待が大きく外れてショックを受けてしまったが…このまま勘違いさせて神父に要らぬ恥をかかせぬ様に、と正直に打ち明ける事にする。



「…は?いやいや、そんな訳無いですよ。今まで汎用スキルが、祝福で授かった例は無いんですから」

「…本当ですよ」



そう言って”能力ステータス”を、可視化させた物を神父へと見せる。


余談だが、この可視化させた”能力ステータス”は”身分証明”と言う生活魔法の応用の一つである。

全てが見える状態の”能力ステータス”とは違い、自分で自由に見せる項目を選択する事が出来る。

王都に入る時や宿を利用する時、更には組合ギルドへと登録する時に必ず見せなければならない。

主に必要な項目は『名前』『賞罰』の二つであり、これらが確認出来ないと宿も組合ギルドも利用不可だ。

入都の際は代替えの方法も有るが…行動に制限がかかる為、王都で生活するのならば成人の儀を受けるに越した事は無い。



そしてそんなギンジの”身分証明”を見た、肝心の神父はと言うと。



「…………」



ポカーンと口を開け、呆けた表情をしていた。

全ての項目を開示した嘘偽りの無い”能力ステータス”だ、ギンジの言う事は事実であったと納得せざるを得なかった様だ。



「いやいや、まさか…こんな事があるとは」



先程神父が言っていたように、今までの歴史の中で汎用スキルを祝福で授かったという例は無い。

少ないではなく『無い』のだ、悪い方向での史上初だった。



「…まぁ、それでも稀な事象には変わりないですし。一応は報告しておきますね」



先程までの熱は何処へやら、神父の表情は英雄を見るようなものから一転。

何処か憐れむような、可哀想な人を見るような視線へと変わっていた。

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