能力を再確認しました。
遅くなりました
スマホからの投稿です。
1話から前話までを改稿しました、ストーリーに変更はありませんが追加した場面や表記などが多少あります。
あらすじがわりにでも読み返して頂けると幸いです。
森を抜けると、王都の外門まではすぐだ。
時刻は既に1時を回っており、星や月を除いた明かりは門の側にある篝火だけが目に入る。
大門の正面はアスファルトが敷かれていて、野営をするとしても僅かに離れた所で行わなければならない。
そちらではギンジ同様門限に間に合わなかった組合員や、未だに馬車を使用している商人達がテントを張っている。
ギンジもそちらへと向かい、ややひらけた場所へとテントを張る。
ーーー
テントの中へ入ると、誰憚る事なく大の字に横たわる。
豚頭との邂逅に、リリィの治療。
無理矢理魔力を流され、牙猪との戦闘。
今日は中々ハードな一日だった、と深く息を吐く。
「凄い、疲れた。なにより…っと、そうだ」
そういえばバタバタしてて忘れがちだったが、新たに増えた技能を確認して置かなければ。
【生活魔法】を覚えてまだ数日だが、今日だけでかなりの技能が増えている。
明日からの依頼の為にも、確認しておくのは大事な事だ。
「”能力”…?………?!”能力”………んぬぁ?!」
能力を目にして、首を傾げる。
その後目をゴシゴシと擦って、もう一度見る。
バグったのかと思い、一度消してまた開く。
そこまでやって、ようやく現実を受け入れて…変な声が出た。
ーーー
ギンジ・イチノセ 15歳 ♂ 状態:吸収加速
称号
【新成人】
【魔王に愛された者】
気力:300/300
魔力:148/150
筋力:170
体力:210
知力:150
器用:200
【特殊】
なし
【複合】
なし
【職業】
なし
【技術】
魔術 Ⅰ
体術 Ⅳ
武術 Ⅲ
採術 Ⅰ
【汎用】
採取 Ⅹ
調合 Ⅱ
魔力操作 Ⅹ
気力操作 Ⅰ
夜目 Ⅸ
観察眼 Ⅴ
魔力感知 Ⅴ
気力感知 Ⅴ
鑑定 Ⅰ
索敵 Ⅱ
【隠蔽】
能動使用
経験採取
賞罰:なし
ーーー
まず、能力値が軒並み上がっている。
それだけでも”はぁ?”なのに、さらに覚えの無い技能が増えていて”なぁ?!”となる。
さらに状態がおかしな事になっていて”んなぁ?!”で、変な称号が増えていて”んぬぁ?!”となった。
「………落ち着け。よし、こんな時は素数を数えるといいって父が言ってたな。…素数ってなんだ?」
なんだ?と首を傾げているうちに、少しだけ冷静になる。
意図した事では無かったが、ギンジの父の言葉はどうやら役に立ったようだ。
「とりあえず、吸収加速。なんでこうなったかはわからんが、技能が急速に成長したのはこれのせいか」
技能というのは、経験値を魂に貯め込む事で形になるもの。
その”経験”というものが何を基準としているかは、はっきりとわかっていないのだが。
おそらく、その”行為”における発生した”エネルギー”が経験値ではないかと推測されている。
例を上げれば…剣を振った時に出来る空気との摩擦熱や、魔獣を切った時に魔獣から失われていく生命エネルギーなど。
採取の時も、草木の生命エネルギーを魂へと取り込んでいく。
はっきりとはそうだ、と言えないが…そのエネルギーの吸収を加速しているのだとしたら今夜の出来事にも説明がつく。
「後は…【魔王に愛された者】?何だこれ、魔王なんて存在すら初めて聞いたけど」
ギンジは知る由もないが、最上位の技能に【魔王】と言うものがある。
特殊技能と呼ばれ、他には【国王】や【勇者】…さらには【賢者】などもこれにあたる。
これらは技能=役職にもなっており、世界に僅か数人しかいないレア技能だ。
「で、その魔王とどこで会ったのやら…」
真っ先に頭に浮かんだのは、先程出会ったリリィだった。
まさかな…と思いながらも、もしかしてと考え込む。
逆に一番恐怖を感じた人、と考えると名前も知らない修道女であるのだが。
そっちの可能性も考えて、少し顔を青くさせるギンジであった。
「あとは知らない技能…採術?」
いつの間にか採取がⅩになってる事から、おそらく採取の上位派生なのだろうが。
一体いつ上がったのか、最後確認したときでまだⅧだったと思うのだが。
等と逡巡してみるも、ギンジに見当がつくはずも無い。
何故ならば、気を失っているときなのだから。
魔力操作のレベルがⅩになった時、手に入った能動使用。
僅かに薄れゆく意識の中で、無意識的に作動させた。
その時”視界に映って”いた、森に生えていた茸。
ソレを”採取”していたのだ。
いつまで悩んでいても答えが出ない事に気付き、ギンジは考える事を止めた。
というよりも寝た。
4時間意識を失っていたとはいえ、休息の睡眠は必要だ。
疲れが溜まっていたギンジは、それこそ気絶するかの様にその場へと倒れ込んだ。
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