青き宝石2
家もなく、人の気配も無くなった場所で、車と僕らの擬態を解いた。
「うわっ?ギンゴその髪の毛の色!」
「これが元々の髪の色なんだ。」
「赤毛がもっと濃くなった感じ?ラズベリー?ルビーレッドかな。」
「なんでもいいよ、嫌いだ、こんな色。」
すぐさま、暗めの栗色に戻した。
「なんだよ、僕は好きな色だよ、バッカだなぁ。」
話を変えたかった。
「そういやケープ、何かおかしな点でもあるのか?」
「これさ、僕のケープと同じなんだよ。」
「え?ってことは、本物はどこか別の場所か。」
「レプリカを本物って偽って展示してるのかも。
メリア・ノートスという人物を考えれば、元々偽物と知ってて展示してたって考えるのが良さそうなんだけど、あやふやなまんまじゃ、まずいよなぁ。」
しばらく考えていたソルデアは、また人差し指を立てて、ひらめいた。
「良い手がある。」
ウシシシと笑って魔力電話をかけた。
「そちら遺物学術研究所ですか?
ウィラム研究生はいますか?」
何するつもりなんだろう?
「ウィラム?ソルデアだけど、元気?」
相手の声が明るく弾んでる。
「ちょっと頼みがあるんだけど、聞いてくれる?」
相手は一言しか答えてない。
「やっぱりウィラムに一番に電話して良かったぁ。
あのさ、聖なる魔女の博物館知ってるよね。
そこに聖なる魔女のケープあるでしょ?
あれって、どうなの?」
僕はその魔女の博物館の職員の人がくれたアイスカフェラテを飲んでいた。
「メリア・ノートスは触らせてくれなかったんだね。」
相手が早口に何か言ってる。
「そういう偽物らしきものが展示されてるって、正確に問いただすみたいな事できないの?」
また手に何か書き始めた。
「ありがとう、また休みがあれば食事に誘って、じゃチャオ。」
僕は
「どうだった?」
「結局、疑わしい事は、全部銀の誰かが処理するんだね。」
ニカッと笑った。
リグワーノ島の銀の支部に向かう。
考古学の担当は、ヴィクラウスという人だった。
小さな部屋に化石や骨、何個あるのか古そうな欠けた壺の隙間にデスクを置いて座っていた。
すごい度の強いメガネをかけている。
ソルデアが丁寧に挨拶して、話し始めてメリア・ノートスという名前が出た所で
「んはぁーまたその名前、もううんざりなんだ。」
元々博物館という名前を付けるなら、その道の研究をしている人に全部鑑定をしてもらわなければならないのに、聖なる魔女の博物館の展示物は、正式な手順を全く踏んでいないらしい。
それでも、営業したり、祭りの時の衣装の監修ができるのは、誰かがバックアップしてるから、なんだ。
ソルデアが
「銀の者の権限が通用しない相手って、ザがつく?」
ヴィクラウスは、すごく渋い顔をして、素早くシッと言った。
僕とソルデアは顔を見合わせた。
ヴィクラウスは
「何がしたいんだ?それとも何か探してるのか?」
小さな声で言った。
ソルデアは手のひらにケープと石と書いた。
ヴィクラウスが、石をペンの先で指して
「こっちは知らない。」
ケープを指して
「おそらく、これはもう無い。」
僕とソルデアは同時に
「なんで?」
「声が大きい。わたしが知ってる限りにおいて、あの繊維は術者が持って使わないと、切れてボロボロになるんだ。」
そういうと、骨が乗ってるキャビネットの中から小さな小ビンを出しだ。
「これが唯一残っている切れ端だ。もうバラバラで、原型すら留めていない。」
魔力の無残りなのか、シルクの繊維だからか光を通すとキラキラしている。
ソルデアが
「信用していい?」
聞くと
ヴィクラウスは
「銀の者として、100%信用していい。」
胸を張った。そして、
「何の目的で動いているのか知らんが、気をつけろよ?
ヘタすると殺されるぞ?」
小さいけど強い口調で言った。
ソルデアは
「わかってる、ありがとう。」
ヴィクラウスと握手した。僕も慌てて手を出して握手した。
ザイラムって、それほど危険な人物ってことか。




