第48話 これからもよろしく
「やっぱりここにいたんだね」
「……なんでわかったの?」
「聖奈は昔から考え事をしたい時とか嫌なことがあったときは人通りが少なくて、木とかがある場所にいるんだよ」
今回は市民体育館付近の木々が生い茂ってる場所のベンチに座っていた。
肩を落として寂しそうにしょんぼりしていた。
なんでここまでしょんぼりしているのか、わからないけど僕が原因なのは確かだろうし。
「浩人は私の事を私以上に知ってるよね」
「そりゃあ、幼馴染だからな」
「でも、浩人は私に隠し事ばっかりする。私の知らないうちに彼女を作ったり、可愛い女の子と仲良くなってたりさ」
「隠してたわけじゃないんだけどな」
僕は特段聖奈に何かしらの隠し事をする気はない。
当たり前だ。
聖奈は大切な幼馴染だし、莉乃姉さんを除いて何かを相談するなら真っ先に相談するようにしている。
でも、聖奈が隠し事をされたと感じてしまっているのであればそれは僕の落ち度だ。
反省しなくてはいけない。
「うそだもん。浩人、あの女の子と凄く仲よさそうだったし。今度はあの子と付き合うの?」
「話が飛躍しすぎな気がするんだけど……聖奈はそのことで怒ってたの?」
「そう言うわけじゃないけど……なんか浩人がまた遠い場所に行っちゃう気がして、寂しくなっちゃったの」
「そうそうどこかに行くなんてことは無いと思うんだけどね。でも、そういう事なら安心してもらっても良いと思うんだけどね」
僕は聖奈の隣のベンチに腰掛けて聖奈の手を握る。
夏場なのにひんやりとした小さい手だった。
「どうして?」
「僕はそう簡単にはどこかに行ったりしないよ。少なくともしばらくは聖奈の事を離れるつもりはない」
Vtuberとして活動を続けていくためにも聖奈の力は必要だし、それを抜きにしても僕は聖奈と一緒に居たい。
この感情が恋愛感情なのかそうではないのか。
今の僕には判断ができないけど、今すぐに決めなくてはならないことでもないと思う。
無理に自分の感情を断定して今の関係を拗れさせたくはない。
今の聖奈と一緒に居る心地の良い時間を壊すくらいなら、今の幼馴染としての関係性が一番だ。
「ほんとう?」
「心配なら捕まえておいてくれても構わないよ。束縛してほしいってわけじゃないけどさ」
聖奈の心配を払拭できるのなら多少拘束されても構わない。
「そこまではしないけど。でも、約束だからね! 浩人は私から勝手に離れちゃダメだからね」
「わかってるよ。離れるつもりなんてない」
聖奈と一緒に居ることが僕にとっての幸せだしな。
これからVtuberとして様々な苦難や困難が待ち受けているだろう。
それでも、聖奈が近くに居てくれれば何とかやっていけそうな気がする。
「これからもよろしくな。聖奈」
「こちらこそ」
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