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Vtuberの姉が配信切り忘れた結果、失恋弟としてトレンド入りした僕もVtuberになることになった  作者: 夜空 叶ト


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第40話 不器用で可愛い聖奈

「ふぅ、やっと終わったな」


 終業式を終えて家に帰る途中にため息が出る。

 長ったらしい式がだるかったというのもあるけど、何よりも最近の学校はいろいろありすぎて疲れた。

 やっと解放されると思うと、気が楽で仕方なかった。


「夏休みの予定はあんまりないな~中旬にバスケの試合を見に行くことくらいかな」


「そうそう! 私のバスケの試合は絶対に見に来ないといけないからね」


「おお、葵さん。どしたの? 部活は?」


「あるけど。これ、忘れてたよ」


 葵さんは僕にスマホを差し出しながらそう言ってくる。

 自分のポケットを確認してみると確かにスマホが入ってなかった。

 危ない。

 葵さんが届けてくれなかったら、学校に取りに来ないといけない所だった。


「ありがとう。葵さん。すっかり忘れてたよ」


「全然大丈夫だよ。じゃ、バスケの試合絶対に見に来てね~」


「もちろん。本当に楽しみにしてるから。葵さんも部活がんばってね」


「当たり前だよ! 絶対にカッコいい所見せるから。覚悟しておいて」


 葵さんは太陽みたいに眩しい笑顔を浮かべながらピースしてきた。

 本当にこの人は笑顔が似合う。

 鮮やかな金髪と紫色の瞳が凄く美しい。

 この写真を撮れば美術館で飾っても申し分が無いほどに彼女は美しかった。


「あの人は本当にすごいな。なんだか関わってるだけで元気がもらえるような気がする」


 届けてもらったスマホを今度はしっかりとポケットに入れる。

 スマホを忘れてくるなんて本当に疲れてるんだな。

 今度温泉にでも行って疲れを癒そうかな。

 ちゃんと休養を取ってから配信したいし。


「聖奈と莉乃姉さんの三人でどこかに遊びに行く予定も組みたいし。配信の予定もある程度早めに告知しておきたいしな」


 やることは山積みだけど、全部楽しい事だから不快ではない。

 でも、流石にそろそろ休まないとぶっ倒れそうだ。

 また莉乃姉さんや聖奈に迷惑をかけるわけにはいかないし、夏休みは体調管理を徹底しないと。


「莉乃姉さんは今日Vtuberの仕事で夜帰ってくるのが遅いって言ってたか。じゃあ、今日は聖奈の家に行こうかな。昼飯も作らないとだし」


 莉乃姉さんは個人で活動してるけど、案件とかそう言う兼ね合いでたまに出かけることがある。

 打ち合わせとかそういう奴だ。

 聖奈も今日が終業式って言ってたし、そろそろ家に着いてる頃だろう。

 僕は素早く午後の予定をある程度固めてすぐに聖奈の家に向かった。


 ◇


「やっと夏休みだぁ。家でゴロゴロできる」


「いや、聖奈はいっつもゴロゴロしてるでしょ」


 聖奈の家に向かうと聖奈は既に私服に着替えていてベッドの上でゴロゴロしていた。

 服装は白色の少し大きめなサイズのTシャツに下にはピンク色のハーフパンツを穿いていた。

 夏だから薄着になるのはしょうがないんだけど、流石に僕が来るんだからもう少しは露出を減らしてほしい。


「む~そんなことないもん。それよりも今日はどしたの? いつもより来るの早くない?」


「ああ、莉乃姉さんは今日仕事で遅くまで帰ってこないし。聖奈も今日が終業式って言ってたし昼飯でも作りに来ようかなと思ったんだけど迷惑だったか?」


「あっ、そういう事。全然迷惑とかじゃないよ。むしろ今日のお昼ご飯はどうしようって悩んでたからありがたいくらい」


「良かったよ。じゃあ、作るけど何か食べたいものとかあるか?」


 昨日一緒に買い出しに行ったおかげで、冷蔵庫の中身は充実している。

 特殊な注文が来ない限りは大体何でも作れるだろう。

 最悪、今から買いに行けばいいんだ。

 時間はたくさんある。


「えっと、その……ね。もし、浩人が嫌じゃなかったらでいいんだけどね」


 聖奈はモジモジしながらベッドに座りながら僕のことを見つめてくる。

 自然と上目遣いされている構図になっているからちょっとドキドキする。

 いつもと違うしおらしい雰囲気がそれに拍車をかけてるのかもしれない。


「うん? どうしたんだよ。変な遠慮とかいらないから何でも言ってくれ」


 聖奈がここまで言いにくそうにしてるのは初めてかもしれない。

 何を言われても対応できるように心構えをしておく。


「わ、私も一緒に作ってみちゃダメ?」


 聖奈は本気で恥ずかしそうに俯きながら僕の袖の裾を掴んできた。

 昔から変わらない癖だ。

 本気で恥ずかしかったり不安だったりするとこの子は僕の服の裾を掴んでくる。

 勿論力は弱いし、気を抜いたら離れてしまいそうになるほどだ。

 だからこそ、僕はこの手を逆に掴み返す。

 小学生の頃から変わらない僕たちの秘密のサインみたいなものだ。


「いいに決まってるよ。教えるから一緒に作ってみようか」


「……うん!」


 花が咲き誇るかのように聖奈はパッと顔を上げて口角を上げる。

 相変わらず不器用だけど、聖奈はこのくらいが良いのかもしれない。

 守ってあげたくなるって言うか。

 とにかく可愛い。

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