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Vtuberの姉が配信切り忘れた結果、失恋弟としてトレンド入りした僕もVtuberになることになった  作者: 夜空 叶ト


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第38話 戻ってきた平穏な学校生活

 翌日の学校で空気感が変わったことは一瞬でわかった。

 校内を歩いている時の僕に向けられる視線がほとんどなくなっていたからだ。

 侮蔑の視線を送られることもなければ、話題に上がっていることもない。

 完全に空気のように扱われていた。

 でも、これは無視されているとかそう言うのではなく普通に興味がないだけのように見える。


「うまくいったみたいだな。まあ、噂を広めてから一日も経ってないのにここまで変わるとは思ってなかったけどな」


「音声付きって言うのがよかったんじゃないかな。葵さんにも協力してもらったし」


「ああ、女子の方は藤波さんにお願いしたんだな。これでお前も変な噂に悩まされなくて済むな」


「理沙にはほんの少し申し訳ないけどな」


 相手が噂を流したといっても、ここまで酷い事はあまりしたくはなかった。

 今回僕が受けた仕打ちを次は理沙が受けるという事になるだけだ。

 標的が僕から理沙に移り変わっただけだから、何の解決にもなっていない。


「そんな事考えなくてもいいって。お前はどうあっても被害者なわけだし。ハッキリ言って因果応報だろ? 自分が流した噂が帰ってきただけなんだからな」


「そ~だよ天雲くん。よかったね。学校中からの変な噂が払拭されてさ」


「まあね。葵さんも協力してくれて本当にありがとね」


「良いって。私も天雲くんが悪く言われるのは気分が悪かったし。本当に良かったよ」


 教室に入ってもこの前みたいに汚物を見るような目を向けられることは無かった。

 当然のようにされていた机の落書きもなかったし、下駄箱の中にも誹謗中傷が描かれたラブレターは入っていなかった。

 この感じを見るに、僕の噂はほぼ完全に払拭されたといっても過言ではない。


「にしても、女子って怖いよな」


「……ああ」


 クラスの隅には一人でポツンと座っている理沙がいた。

 昨日まではクラスの中心で楽しそうに話していたのに今となっては隅っこでポツリと俯いて座っているだけだった。

 まあ、あんな噂を音声付きで流されたらこうなるのも仕方がないんだろうけど。

 僕としては後味が悪い。


「わかってるとは思うが慰めようとかするなよ? せっかく変な噂といじめまがいの事から抜け出せたんだ。余計なことをしてこれ以上自分の立場を悪化させるようなことはするな」


「わかってるって。せっかく二人に協力してもらったんだから。自分からもう一度自分を追い込むような真似はしないさ。後味は悪いけどな」


「だね。でも、女子ってやっぱり周囲の目を気にするものだから。変な噂が流れてる人と好き好んで関わろうとする子は少ないよ」


「そう言う割には藤波さんは天雲に関わってたじゃないか。あんなに評判が悪かったのにさ」


 確かに小田の言う通りだ。

 前も思ったけど、あの時の僕に話しかけるメリットなんて全くない。

 だけど、関わってくれたんだから葵さんは本当に良い人だ。


「そりゃあ、私はそこまで評判とか気にしないからさ。私は自分が関わりたいって思った人と関わるし、関わりたくないって思った人とは極力関わらないようにするだけだからね」


「流石はカースト最上位のギャルだな。ま、俺もその考え方には同感だけどな」


「でも、なんかモヤモヤするんだよな」


 理沙が単純なのは知ってるけど、ここまで短絡的で馬鹿な行動を簡単に起こすだろうか?

 なんだか腑に落ちない。

 でも、今回の件は理沙が噂を広めたのは間違いないしそれは彼女の口から聞いた。

 じゃあ、このモヤモヤは何なんだ?

 考えてみるけど、答えは出ない。


「どうした? そんな難しそうな顔をして。何かあったのか?」


「大丈夫? 体調悪い?」


「ああ、いや。そんなことは無いよ。ただ、本当に噂を払拭できたんだなって思って」


 とにかく、問題が解決したことは間違いないんだ。

 ここで変な事を永遠に考えるよりも、これからどうするかを真剣に考えるべきか。

 Vtuber業も軌道に乗ってるし、ちゃんとここで流れに乗っておきたい。

 これから夏休みも始まるし、配信できる時間は格段と増える。

 リスナーのみんなも夏休みだろうし、いっぱい見てくれるかもしれない。

 今まで考えていたゲーム実況とかの配信を進めていくことにしよう。


「そうだな。じゃあ、今日は天雲のおごりで飯でも食いに行くか。藤波さんも来るだろ?」


「う~ん、行きたいのはやまやまなんだけど。部活があるから今日は遠慮しとくよ。大会が終わったら時間もできると思うし、その時に改めて誘ってもらえると嬉しいな」


「うん。その時はお礼もかねて奢るから」


「ありがと! じゃあ、そろそろ授業始まりそうだし戻るね」


 葵さんはぶんぶんと手を振って自分の席に戻っていった。

 相変わらず明るくて太陽みたいな女の子だ。

 僕なんかが関われてるのが不思議なくらいに。


「じゃ、俺も戻るわ。今日はお前の奢りだからな」


「わかってるって。じゃあ、またあとで」


 こうして、僕の平穏な学校生活が戻ってきたのだった。

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