第32話 Vtuberと学校の両立
「そんなことになってたんだ。デビューから色々と波乱続きだよね。浩人はさ」
「僕もそう思うよ。最近はそれなりにいろんな人が見てくれてるから下手な配信はできないし」
「いやいや、浩人はもうちょっと配信頻度を上げたほうがいいと思うよ? 今は週に一回くらいだっけ?」
「うん。学校あるし、配信ごとにサムネとかも用意しないといけないからね。もう少し頻度は増やしていきたいとは思ってるんだけど」
学校の課題や起きている問題の解決方法の模索。
他にもやることは山ほどある。
その中で高いクオリティの配信をするとなると、どうしても手が足りない。
いっそのこと、高校を辞めてしまえばいいのかもしれないけど。
流石にVtuberで一生食べていくなんてのは無理な話なのかもしれない。
いや、そうやって生きていける人もいるのかもしれないけど僕はどうしても保険が欲しい。
大学を卒業しておけば、最低限何らかの職にはつけるはずだ。
だから、高校は出ておきたいし大学にも入りたい。
難しいところだ。
「確かにね~私も最初の頃はイラストと学校の両立ってかなり大変だった気がするし」
「どうやったら両立できるようになったんだ?」
「慣れかな。慣れたら案外こんなもんかってなってさ。それからは今みたいに高校に通いながら頑張ってイラスト描いてるよ。お金も結構稼げるしね。不自由はないかな
」
「慣れか……じゃあ、最初は四苦八苦するしかないってことか」
「そうそう。それに浩人はありがたい事に売れない期間とか誰にも見られない期間が無いんだから頑張らないと」
聖奈の言う通りだ。
この業界で売れないと悩んでいる人は数多くいる。
でも、僕は莉乃姉さんのおかげでそんな悩みとは無縁だった。
だから、僕はちゃんとしないといけない。
天から降ってきたチャンスだけどここで胡坐をかいてたら、すぐに目立たなくなってしまう。
「そうだよな。ありがと聖奈。やる気出てきたよ」
「別にお礼を言われるような事してないよ。また悩んだら相談してくれていいからね。私じゃあ、大したアドバイスとかはできないと思うけど」
「そんなことないよ。イラストとか他の所でも聖奈には世話になってる。これからもどうかよろしく頼む」
「任せといてよ! 甘雲ヒロのイラストレーター兼ファン第一号だからね!」
ファンという事は素直に見てめてくれたようで彼女は僕にウインクをしながらそう言った。
対談内容とか学校の事とか考えないといけないことは多いけど、この笑顔を見てると頑張れるような気がする。
聖奈が応援してくれてるんだ。
なんとしてでも聖奈が満足してくれるような素晴らしい配信をすることにしよう。
まずは対談配信を成功させること。
「ああ、しっかり頑張るよ。まずは桔梗さんとの対談でしっかりと話せるようにしないといけないな」
「浩人ならできるよ。ちゃんと見とくからしっかりしなさいよね」
「うん。それともうそろそろ夏休みだけど、聖奈は何か予定とかある?」
「今の所は特にないかな。どうして?」
「いや、何もないなら僕とどこか行かないかと思って。暇ならでいいんだけどね」
高校に入学してから聖奈と長期休みに一緒にどこかには行っていないので行っておきたい。
来年は受験で忙しくなるだろうし。
行けるうちに行っておいて高校生らしく青春を謳歌しておきたい。
「もちろん行くよ! 莉乃さんも行くの?」
「まだ誘ってないな。まあ、そこら辺の予定は今度三人で考えよう。多分莉乃姉さんはノリノリで参加してくれると思うから」
「だね。じゃあ、配信頑張ってね」
「うん。聖奈もイラスト作業がんばってね」
僕は自分の家に帰る道中に桔梗さんとどんな話をするのか考えるのだった。
↓にある☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!




