第30話 コラボ相手はVtuber界のレジェンド!?
今日も今日とて、変な噂と変な視線に晒されながら、学校生活を乗り越えて家に帰る。
正直、あんなふうに誰かに陰口を言われるのに少しだけ慣れてしまっている自分がいた。
「ふぅ、結構疲れるな。まあ、いいか。そろそろ夏休みだし。今はそんな所もない事よりもコラボのことを考えないとね」
もう少ししたら莉乃姉さんとコラボをしたいと言ってくれた人の三人で通話が始まる。
どんな人かは詳しく聞いていないけど、莉乃姉さんと仲がいいらしいし絶対に失礼な事とか言わないようにしないと。
それに、Vtuberとしてはきっと相手の方が大先輩だ。
莉乃姉さんだけじゃなく、Vtuber関連で相談できる相手ができるのは嬉しい。
そのためにも、しっかりと話さないと。
「ひろく~んそろそろ通話を始めるけど準備は大丈夫そう?」
「うん。大丈夫。かなり緊張してるけど問題ないよ」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だって。私も一緒に通話するしさ。何かあったら私がフォローするから」
「ありがとう莉乃姉さん。じゃあ、始めようか」
僕は自分のパソコンで通話用のアプリを開いて莉乃姉さんが作ってくれたグループに入って通話を開始する。
通話部屋の中には僕と莉乃姉さんしか入っておらず、まだコラボ相手の人は入ってきてはいない。
僕は深呼吸して心を落ち着かせる。
数秒後にはピロンという音と共にもう一人通話グループに入ってくる。
この人がコラボ相手か。
「遅れてごめんね~このりん。ちょっと配信が長引いちゃって」
「全然気にしなくていいよ。私もヒロくんもさっき入ってきたばっかりだから」
「そかそか。で、今グループにいる子がこのりんの弟さん?」
「そうそう。甘雲ヒロだよ。で、こっちの人が私の友達でVtuberの西園寺 桔梗ちゃん。私はきょうちゃんって呼んでるかな」
西園寺桔梗と言えば、Vtuberがまだあまり世間に知られていなかったころから活躍していた人だ。
莉乃姉さんとも何回かゲームでコラボをしていたのを知ってるけど、裏で二人がこんなにも仲が良かったというのは知らなかった。
まさか、Vtuber界のレジェンドともいえる人がコラボしてくれるなんて思っていなかったから凄く緊張してきた。
「初めまして~西園寺桔梗です! 君がこのりんの弟のひろきゅんだよね? 初配信凄く良かったぜ~」
「あ、ありがとうございます。えと、初めまして。甘雲ヒロです」
「ギチギチに緊張してんじゃん。そんなに緊張しなくていいって。私はそんなに怖い人じゃないからさ~。それにこれからコラボしようって言うのにそんなに緊張してたら配信できなジャン!」
西園寺さんは凄く陽気な人で莉乃姉さんとは少し系統が違う人だった。
凄く陽気なのに嫌な感じのしない人で凄く接しやすい人だった。
配信でも明るい話し方で特に相談配信などが人気だと聞いたことがある。
相談したいリスナーが増えるのもわかるような話しやすい人だ。
「まあまあ、ヒロくんも流石にVtuber界のレジェンドを前にして普通に接することができるほど心臓に毛が生えてはいないって。きょうちゃんがちょっとおかしいの」
「ええ~そうかな~でも、このりんの配信切り忘れ凄くおもしろかったよ。失恋弟とか不憫すぎて爆笑したし」
「それには触れないでいただけると……」
そんなこんなで僕はVtuber界のレジェンドとのコラボ内容の打ち合わせが始まるのだった。
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